海老名市には、BCP(事業継続計画)をつくるときの費用を一部補助する「リスクマネジメント支援事業」があります。
市内で事業を続けている中小企業や個人事業主が対象です。
外部の専門家に計画づくりを頼む費用などに使える可能性があります。
この記事では、補助率や上限額、対象になる人、申請の流れを整理します。
「災害に備えたいが、何から手を付けるか分からない」という方の判断材料にしてください。
BCP(事業継続計画)とは
BCPとは、災害や事故、感染症などが起きたときに、事業を止めない、または早く立て直すための計画です。
英語の頭文字をとってBCPと呼ばれます。
たとえば、次のような内容を事前に決めておきます。
- 被害が出たときに、先に再開すべき業務はどれか
- 誰が、どの順番で連絡や判断をするか
- 取引先やお客様へ、どう知らせるか
- データや設備を、どう守り、どう復旧するか
大企業だけのものと思われがちです。
しかし、個人事業主や小さな会社でも、止まったときの影響は小さくありません。
紙一枚の整理から始めてもよい、というのが一般的な考え方です。
この制度は、そうした計画づくりにかかる費用を市が後押しするものです。
BCPは、つくって終わりではありません。
事業内容や取引先が変われば、見直しも必要になります。
まずは「最低限、何を守りたいか」を決めることが第一歩です。
専門家に頼む場合も、自社の事業を一番よく知っているのは経営者ご自身です。
聞き取りに答える時間は、あらかじめ確保しておくと進めやすくなります。
制度のあらまし(補助率と上限)
海老名市の中小企業振興支援事業の一つが、このリスクマネジメント支援事業です。
実施しているのは、海老名市の経済環境部商工課です。
公式ページで確認できる主な内容は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | リスクマネジメント支援事業(令和8年度) |
| 実施主体 | 海老名市 商工課 |
| 目的 | BCP(事業継続計画)の策定を支援 |
| 補助率 | 費用の2分の1 |
| 上限額 | 10万円 |
| 受付開始 | 令和8年4月1日から(先着順) |
つまり、かかった費用の半分が補助される可能性がある、という仕組みです。
ただし上限は10万円です。
たとえば20万円以上の費用がかかっても、補助の上限は10万円にとどまります。
実際にいくら補助されるかは、審査や確認を経て決まります。
「補助があるから」という理由だけで、必要以上に高い契約を結ぶのはおすすめできません。
自社の規模に合った内容か、見積もりを比べながら検討しましょう。
補助の対象外になった場合でも、無理なく払える範囲かどうかを先に考えておくと安心です。
対象になる事業者の条件
対象は、市内で操業している中小企業者です。
個人事業主も含まれます。
公式ページでは、次の3つをすべて満たす必要があるとされています。
- 市内で操業している中小企業者であること(個人事業主を含む)
- 納期限の到来した市税を完納していること
- 市内で1年以上、同一の事業を続けていること
「1年以上」の条件があるため、開業したばかりの方は対象外になる場合があります。
創業から1年を超えたかどうか、一度確認しておくとよいでしょう。
法人と個人事業主で確認の範囲がどう異なるか、どの税目が対象かといった詳細は、公式ページに書かれていません。
納付状況に不安がある方は、申請前に市の担当窓口へ相談しておくと安心です。
市税の納付状況も条件に入っています。
住民税や固定資産税などに未納がある場合は、先に整理が必要です。
細かな基準は公式ページに書かれていないため、迷う場合は商工課へ問い合わせるのが確実です。
対象になる策定費用の範囲
公式ページに書かれている補助の対象は、「BCP策定の委託等に要する費用」です。
つまり、BCPをつくるために外部へ依頼した費用が中心になると読み取れます。
一方で、次の点は公式情報では確認できませんでした。
- コンサルタント費用が対象かどうかの細かな区分
- 研修費やソフトウェア費用が含まれるかどうか
- 自社で作成した場合の人件費の扱い
こうした個別の費用が対象になるかは、公式ページだけでは判断できません。
見積書を取る前に、商工課(046-235-4843)へ確認することをおすすめします。
申請前に支払った費用が対象になるかどうかも、公式ページには書かれていません。
契約や支払いの前に、必ず確認しておきましょう。

補助額のイメージ
補助率は2分の1、上限は10万円です。
計算のイメージを表にまとめます。
| BCP策定にかかった費用 | 補助額の目安 |
|---|---|
| 10万円 | 5万円 |
| 16万円 | 8万円 |
| 20万円 | 10万円(上限) |
| 30万円 | 10万円(上限) |
あくまで計算上の目安です。
実際の補助額は、市の審査や確認の結果で決まります。
また、対象外の費用が見積もりに混じっていれば、その分は除いて計算されると考えられます。
細かな扱いは公式ページに書かれていません。
見積書の内訳を、事前に市へ見せて相談するのも一つの方法です。
先着順と予算の見方
この事業は、令和8年4月1日から先着順で受け付けています。
予算の上限に達した時点で終了となります。
ここで注意したいのは、受付の終了日が公式ページに書かれていない点です。
「いつまでなら申請できる」と決まっているわけではありません。
予算がなくなれば、その時点で受付が終わります。
この記事を作成した2026年10月3日時点で、公式ページには受付終了の案内は見当たりませんでした。
ただし、年度の後半に入っています。
予算の残りは公式ページからは分かりません。
利用を考えるなら、次の手順がおすすめです。
- まず商工課に電話し、受付が続いているか確認する
- そのうえでBCP策定の依頼先や見積もりを検討する
- 余裕をもって申請準備を進める
「検討中のうちに終わってしまった」という事態は、避けたいところです。
先着順の制度では、申請の順番が審査の前提になります。
書類に不備があると、受付が後ろにずれる可能性もあります。
エントリー用紙は丁寧に記入し、分からない欄は事前に商工課へ尋ねておくと、手戻りを減らせます。
申請方法と使うときの注意点
申請は、エントリー用紙で行います。
用紙は市の公式ページから入手できます。
提出先は経済環境部商工課です。
次の3つの方法が案内されています。
- 窓口への直接提出
- 郵送
- ファクス(046-233-9118)
必要書類の細かな一覧は、今回確認した公式ページには書かれていませんでした。
申請の前に、最新の案内を確認してください。
注意点が2つあります。
1つ目は、申請回数です。
公式ページでは、基本的に年度内1回のみとされています。
人材育成事業と依頼試験事業だけは、複数回の申請が可能です。
2つ目は、他の支援メニューとの併用です。
基本的に認められていません。
例外として、業務用生ごみ処理機設置補助のみ、同じ年度内の併用が認められています。
市が同じ時期に実施する他のメニュー(ホームページ制作や展示会出展など)を考えている方は、どれを使うか先に整理しておくと安心です。
どんな事業者に向いているか
この制度は、次のような方が検討しやすいと考えられます。
- 災害時の対応を、これから初めて整理したい個人事業主
- 取引先からBCPの提出や整備を求められそうな小規模事業者
- 専門家の力を借りて計画をつくりたい中小企業
店舗や工場、事務所を市内に構えている事業者は、地震や水害などで営業が止まる場面を想像しやすいかもしれません。
取引先への連絡手段や、データの保管場所を決めておくだけでも、いざというときの動きは変わります。
自分で作る場合でも、まず専門家に相談して全体像をつかむ使い方があります。
ただし、その費用が対象になるかは前述のとおり確認が必要です。
最後に、申請前の確認事項をまとめます。
- 市内で1年以上、同じ事業を続けているか
- 納期限の来た市税に未納がないか
- 他の支援メニューを使う予定がないか
- 受付がまだ続いているか
最新の受付状況や要件は、変わる可能性があります。
申請前に必ず、海老名市リスクマネジメント支援事業の公式ページで内容をご確認ください。
問い合わせは、商工課(046-235-4843)です。


