港区で創業したばかりだけれど、事務所の家賃や設備費の負担が思った以上に重い。
そんな駆け出しの事業者を支えているのが、港区の「創業・スタートアップ支援事業補助金」です。
区内で創業して2年未満という条件はありますが、申請期間が長く、いま動きやすい制度の一つです。
港区内での創業を支える補助金
実施主体は港区で、窓口は港区産業振興課と港区立産業振興センターです。
対象地域は港区内で、区内で創業して2年未満の創業者が対象になります。
補助を受けるには、港区内に事務所を置いていることに加えて、港区産業振興課の商工相談を受け、創業計画書を作成していることが条件です。
思いつきで申請できる制度ではなく、事前の相談を経て初めて対象になる仕組みになっています。
対象経費と補助額
対象経費は、次のように整理できます。
| 対象経費 | 補助上限 |
|---|---|
| 事務所・店舗の賃借料 | 月10万円×最大12か月分 |
| コワーキングスペース等利用料 | 月15,600円×最大12か月分 |
| 設備費 | 上限60万円 |
賃借料は最大12か月分、月10万円を上限に補助される仕組みです。
年間で見ると、賃借料だけで最大120万円の補助を受けられる計算になります。
創業したばかりで売上が安定しない時期の固定費負担を、1年間にわたって軽くできる点が特徴です。
コワーキングスペースを利用している場合も対象に含まれているため、自社オフィスを持たずシェアオフィスから事業を始めた方にも活用の余地があります。

申請期間は長め、いま動きやすい制度
申請期間は令和8年4月1日から令和9年1月15日までです。
2026年9月21日時点では、この期間の途中にあたり、受付中の状態です。
多くの助成金が数週間の短い募集期間で締め切られる中、この補助金は9か月以上と長期間にわたって申請を受け付けています。
創業してすぐに申請するのではなく、事業の見通しが立ってから落ち着いて準備することもできる制度だといえます。
ただし、対象者は「創業して2年未満」に限られるため、創業からの時期が経つほど対象外になっていく点には注意が必要です。
心当たりのある方は、早めに産業振興課へ相談することをおすすめします。
申請の前に必要な「商工相談」
この補助金の大きな特徴は、申請の前に港区産業振興課の商工相談を受け、創業計画書を作成する必要がある点です。
書類を用意していきなり申請するのではなく、まず相談員と対話しながら事業計画を整理する過程が組み込まれています。
これは、単なる資金支援にとどまらず、創業後の経営がうまくいくよう伴走することも目的の一つになっているためだと考えられます。
事前予約が必須とされているため、申請を考え始めた段階で早めに産業振興センターへ連絡を取ることが、スムーズに進めるコツです。
東京都の創業助成金との違い
東京都全体を対象にした「創業助成事業」も、創業期の経費を助成する制度として知られています。
港区の補助金と比べると、対象地域と申請の入り口に違いがあります。
| 制度名 | 対象地域 | 申請の入り口 |
|---|---|---|
| 創業・スタートアップ支援事業補助金 | 港区内での創業 | 港区の商工相談を経て申請 |
| 創業助成事業(東京都) | 都内での創業 | 東京都中小企業振興公社へ直接申請 |
港区内で創業している場合、区の補助金と都の助成金の両方が候補になり得ます。
それぞれの対象経費や助成額を比べたうえで、自社の状況に合う制度を検討するとよいでしょう。
創業期の固定費負担をどう乗り切るか
創業したばかりの時期は、売上の見通しが立ちにくい一方で、家賃や設備費といった固定費は毎月発生し続けます。
この時期の資金繰りに苦しみ、事業を軌道に乗せる前に資金が尽きてしまうケースも少なくありません。
この補助金のように、賃借料を最大12か月にわたって補助する制度は、創業期特有のこうした資金繰りの負担を和らげる役割を果たします。
補助金だけに頼るのではなく、日本政策金融公庫の創業融資や、他の自治体・都の支援策とあわせて活用することで、創業期の資金計画により厚みを持たせることができます。
港区産業振興課の商工相談では、こうした複数の制度を組み合わせた資金計画についても相談できる可能性があります。
補助金の申請だけを目的にするのではなく、創業後の経営全体を見据えた相談の場として活用するとよいでしょう。
こんな方に向いている制度
- 港区内で創業して2年未満で、事務所や店舗の賃借料の負担を減らしたい方
- コワーキングスペースを利用しながら事業を始めた方
- 産業振興課の相談を受けながら、事業計画を整理したい方
- 融資や他の支援策とあわせて、創業期の資金計画に厚みを持たせたい方
長期間にわたって申請を受け付けている補助金ですが、対象になるのは創業から2年未満の間だけです。
心当たりのある方は、早めに港区産業振興センターへ相談することをおすすめします。
相談から申請まで一定の準備期間がかかることを見込んで、余裕を持って動き出すことが大切です。
創業計画書の作成にじっくり向き合う時間を確保できると、そのまま今後の経営の指針にもつながります。
補助金の申請をきっかけに、事業の方向性を見つめ直す機会として活用するのもよい方法です。
焦らず一歩ずつ準備を進めることが、創業期を乗り切る力になります。
まずは港区産業振興センターへの問い合わせから始めてみてください。
小さな一歩が、事業を軌道に乗せる大きな支えになります。
準備を積み重ねながら、着実に一歩ずつ前へ進めていきましょう。
申請の大まかな流れ
この補助金を利用する際は、おおむね次のような流れになります。
- 港区産業振興センターに事前予約のうえ、商工相談を受ける
- 相談員とともに創業計画書を作成する
- 賃借料・設備費など、対象経費の見積もりを整理する
- 申請期間(令和8年4月1日〜令和9年1月15日)中に、必要書類を提出する
- 審査を経て、補助の可否が通知される
創業計画書の作成自体が申請の条件になっているため、単に書類を用意するだけでなく、相談員との対話を通じて事業計画を練り上げていく過程が組み込まれています。
よくある疑問
- 創業前の段階でも相談できるか:産業振興課の商工相談は、創業前の準備段階から利用できる場合があります。詳細はセンターに問い合わせてください。
- 賃借料とコワーキング利用料、両方を申請できるか:それぞれ別の対象経費として整理されていますが、実際にどちらか一方、あるいは両方を申請できるかは、自社の利用形態によって変わります。募集要項で確認してください。
- 創業から2年を過ぎたら一切利用できないか:この補助金の対象は創業して2年未満とされているため、2年を過ぎると対象外になります。他の創業支援策や、東京都の助成金など、時期に応じた制度への切り替えを検討するとよいでしょう。
制度の詳細な運用は年度によって見直されることもあります。
申請を検討する際は、必ず港区の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。


