働き方改革推進支援助成金とは?残業削減や有給取得促進に使える国の助成金

国(全国対応)の補助金

残業を減らしたくても、人手が足りない

残業時間を減らしたい、有給休暇を取りやすい職場にしたい。

そう思っていても、業務量が変わらないまま労働時間だけを減らすのは簡単ではありません。

厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」は、労務管理システムの導入やコンサルティングの活用など、労働時間の見直しに取り組む中小企業を支援する制度です。

全国のどの都道府県の事業者でも申請できます。

労働時間短縮・年休促進支援コースとは

この助成金には複数のコースがあり、その中の「労働時間短縮・年休促進支援コース」は、残業時間の削減や年次有給休暇の取得促進、勤務間インターバル制度の導入などに取り組む中小企業事業主を対象にしています。

設備導入費・研修費・コンサルティング費などの一部を助成することで、業務の効率化と労働時間の見直しを後押しする仕組みです。

対象になる事業者

対象は、労働時間の削減目標などの成果目標を立てて取り組む中小企業事業主です。

業種を問わず申請できますが、常時使用する労働者数などの中小企業の定義に当てはまる必要があります。

2026年度は、深刻な人手不足が続く情報通信業と宿泊業が、業種別課題対応コースの対象に新たに加わりました。

対象になる取り組みの例

対象経費には、次のようなものがあります。

  • 勤怠管理・労務管理システムの導入
  • 労働時間短縮に向けたコンサルティングの活用
  • 業務効率化につながる設備・機器の導入
  • 労務管理担当者向けの研修

自社の残業の原因になっている業務プロセスを見直すための投資が、幅広く対象になっています。

助成額と助成率

助成額・助成率の目安は、次のとおりです。

項目 内容
助成上限額 最大150万円+加算
助成率 原則3/4(一定の要件を満たすと4/5)

常時使用する労働者数が30人以下で、設備・機器等の所要額が30万円を超える場合には、助成率が5分の4に引き上げられます。

オフィスで労務担当者がパソコンの勤怠管理システムを操作している様子

2026年度の成果目標の考え方

2026年度は、従来の36協定の上限設定に加えて、実際の残業時間を月10時間以上削減するといった、より実態に即した成果目標も新たに設定できるようになりました。

数字だけの目標ではなく、実際の労働時間の変化を伴う取り組みが求められる制度になっています。

申請期間と注意点

2026年度の申請期間は2026年4月13日から11月30日までですが、予算の上限に達し次第、早期に締め切られる可能性が高いとされています。

取り組みを検討している場合は、締切ぎりぎりではなく、早めの申請が推奨されています。

申請までの流れ

申請は、おおむね次のように進みます。

  1. 現状の労働時間や残業の課題を整理する
  2. 成果目標(残業削減時間、年休取得率など)を設定する
  3. 導入したい設備・システムやコンサルティングの見積りを取る
  4. 交付申請を行い、交付決定を受ける
  5. 取り組みを実施し、成果目標の達成状況とあわせて実績報告を行う

複数あるコースの使い分け

働き方改革推進支援助成金には、労働時間短縮・年休促進支援コースのほかにも、業種別課題対応コース、勤務間インターバル導入コース、労働時間適正管理推進コースなど、複数のコースが用意されています。

  • 業種別課題対応コース:建設業・運送業・医療業・情報通信業・宿泊業など、業種特有の労働時間課題に対応
  • 勤務間インターバル導入コース:終業から翌日の始業までに一定の休息時間を確保する制度の導入を支援
  • 労働時間適正管理推進コース:労働時間の適正な把握・管理体制の整備を支援

自社の課題が「残業削減・年休促進」なのか、「特定業種特有の課題」なのかによって、選ぶべきコースが変わってきます。

早めの申請が推奨される理由

この助成金は、申請期間が2026年11月30日まで設定されているものの、予算の上限に達し次第、期間の途中でも締め切られる可能性が高いとされています。

取り組みたい内容が固まっている場合は、締切間際まで待たずに早めに動き出すことが重要です。

こんな事業者に向いている制度です

働き方改革推進支援助成金は、こうした事業者に向いています。

  • 残業時間が慢性化しており、勤怠管理システムの導入を検討している事業者
  • 有給休暇の取得率を上げたいと考えている中小企業
  • 情報通信業・宿泊業など、人手不足の影響を受けやすい業種の事業者

労使で話し合いながら進める大切さ

労働時間の見直しは、経営側の都合だけで進めると、現場の反発を招くこともあります。

成果目標を設定する段階から、実際に働く従業員の意見を取り入れることで、無理のない目標設定につながりやすくなります。

働き方改革推進支援助成金の活用を検討する際は、労使で話し合う機会をあわせて設けることをおすすめします。

よくある疑問

Q. 大企業は対象になりますか?
中小企業事業主が対象の制度です。

従業員数などの中小企業の定義に当てはまるか確認してください。

Q. 予算が無くなったら申請できなくなりますか?
予算の上限に達し次第、期間内でも締め切られる可能性があります。

早めの申請が推奨されています。

Q. 成果目標を達成できなかった場合はどうなりますか?
成果目標の達成状況は実績報告で確認されます。

詳しい取り扱いは公式情報・交付要綱で確認してください。

Q. どのコースを選べばよいか分からない場合はどうすればよいですか?
自社の業種や課題によって適したコースが異なります。

労働局や社会保険労務士などの専門家に相談しながら、コースを選ぶ方法もあります。

Q. 助成金の対象になる経費に上限はありますか?
コースごとに助成上限額が定められています。

導入したい設備・システムの費用が上限を超える場合、超過分は自己負担になります。

Q. 建設業や運送業でも申請できますか?
業種別課題対応コースでは、建設業・運送業・医療業なども対象に含まれています。

業種特有の課題に応じたコースを選ぶことができます。

Q. すでに導入済みの勤怠管理システムがある場合は対象外ですか?
新たに導入・更新する設備・システムが対象になります。

既存システムの活用状況によって扱いが異なるため、事前に確認してください。

制度の詳細・最新の申請要件は、必ず公式情報でご確認ください。

出典:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)|厚生労働省

働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)
働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) について紹介しています

労働時間の見直しは、一度取り組んで終わりではなく、継続的な改善が求められるテーマです。

助成金をきっかけに、自社の働き方を定期的に見直す仕組みそのものを社内に根付かせていくことも大切です。

申請手続きについて不安がある場合は、労働局やコンサルティング事業者への相談もあわせて検討してみてください。

現場の声を聞きながら、無理のないペースで進めていくことが定着への近道です。

予算には限りがあるため、取り組みが具体化した時点で早めの申請を心がけましょう。

小さな取り組みからでも、働き方の見直しは着実に前進します。

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