東京都「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」第14回、10月23日申請受付開始

全業種対応

新しい機械を入れて生産性を上げたい。

でも初期費用が重くて踏み切れない。

そんな都内の中小企業に向けた大型の設備投資支援策が、東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」です。

令和8年度は3回にわたって募集が行われており、直近の第14回(令和8年度第3回)は10月23日から申請受付が始まります。

この記事では、制度の仕組みと、いま押さえておきたいポイントを整理します。

都内の設備投資を後押しする、都内最大級の助成金

実施主体は東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社です。

対象地域は東京都内で、都内に登記簿上の本店または支店があり、一定期間以上事業を継続している中小企業者等が対象になります。

第14回の申請では、令和8年10月1日現在で都内に本店または支店があり、都内で2年以上事業を継続していることが要件とされています。

全業種が対象で、業種による制限はありません。

制度の目的は、「製品・サービスの質的向上」による競争力強化や、「生産能力の拡大」に向けた生産性向上のために必要な機械設備等の導入を後押しすることにあります。

3つの事業区分と助成額

この制度には、目的の異なる3つの事業区分があります。

区分 対象となる取り組み 助成率 助成限度額
競争力強化(中小企業者) 新たな機械設備導入による事業拡大 1/2〜2/3以内 1,000万円
競争力強化(小規模企業者) 同上(小規模企業者向け) 2/3〜3/4以内 600万円
後継者チャレンジ 後継者が事業多角化や新たな経営課題に取り組むための設備導入 2/3〜3/4以内 1,000万円
アップグレード促進 地域を代表する企業への成長を目指す設備導入 3/4〜4/5以内 1,500万円

賃上げに関する計画を策定・実施する「賃上げコース」を選ぶと、さらに助成率が優遇される仕組みも用意されています。

詳細な条件は募集要項で確認する必要があります。

対象経費は、機械設備・ソフトウェアなどの導入費用が中心です。

単なる買い替えではなく、生産性向上や競争力強化に直結する投資であることが求められます。

東京都の工場で新しい機械設備を確認する事業者のイラスト

第14回の申請スケジュール

第14回の申請受付期間は、令和8年10月23日(金)9時から令和8年11月24日(火)13時までです。

2026年9月21日時点では受付前の段階にあたり、告知が始まったばかりの状態です。

申請を検討している場合は、期間が始まる前に必要書類や事業計画の準備を進めておくとスムーズです。

なお、この事業はこれまでにすでに13回実施されており、年に複数回のペースで継続的に募集が行われている定番の制度です。

第14回で予算枠に達しなかった場合、翌年度以降も同様の枠組みで実施される可能性が高いといえます。

「後継者チャレンジ」区分が持つ意味

3つの区分の中でも「後継者チャレンジ」は、単なる設備更新ではなく、事業を引き継いだ後継者が新しい取り組みに挑戦する際の設備投資を後押しする区分です。

先代から引き継いだ事業をそのまま続けるのではなく、後継者ならではの視点で事業の幅を広げたいと考えている場合に、選択肢の一つになり得ます。

同じ都の制度である「事業承継支援助成金」は専門家活用費用など経営面の支援が中心であるのに対し、この事業の「後継者チャレンジ」区分は機械設備の導入という、より実務的な投資を対象にしている点に違いがあります。

申請を検討する際の注意点

助成率は区分によって1/2から4/5までと幅があり、自己負担分は助成対象経費の1/5から1/2以上になります。

全額が補助されるわけではない前提で、投資計画を立てることが欠かせません。

また、基準日(令和8年10月1日)時点で要件を満たしている必要があるため、申請直前になって慌てて確認するのではなく、早めに自社が対象になるかどうかをチェックしておくことをおすすめします。

制度は年度ごとに募集回や助成内容が見直されることもあります。

申請を検討する際は、必ず公社の公式サイトで最新の募集要項を確認してください。

申請から交付までにかかる期間

採択された後も、すぐに助成金が振り込まれるわけではありません。

設備の導入・支払いを済ませたうえで実績報告を行い、その内容が確認されて初めて助成金が交付される仕組みが一般的です。

そのため、設備投資の資金は、いったん自己資金や融資でまかなう必要があります。

助成金はあくまで「あとから一部が戻ってくる」制度であることを踏まえて、資金計画を立てておくことが欠かせません。

助成対象期間についても、交付決定日から一定期間内に設備の導入と支払いを終える必要があります。

導入予定の設備が受注生産品などで納期が長くかかる場合は、対象期間内に間に合うかどうかを事前に確認しておくと安心です。

こんな事業者に向いている制度

  • 老朽化した機械設備を、生産性向上につながる形で更新したい方
  • 事業承継後、新しい取り組みのための設備投資を考えている後継者の方
  • 地域を代表する企業への成長を目指し、大きな設備投資を計画している方

助成限度額が600万円から1,500万円と高額な分、審査や自己負担も伴う制度です。

自社の投資計画と照らし合わせながら、活用を検討してみてください。

申請の大まかな流れ

実際に申請する際は、おおむね次のような流れになります。

  1. 自社が対象要件(都内2年以上事業継続など)を満たしているか確認する
  2. 3つの事業区分の中から、自社の取り組みに合う区分を選ぶ
  3. 導入予定の機械設備・ソフトウェアの見積もりを取得する
  4. 事業計画書など、募集要項で定められた必要書類を準備する
  5. 申請受付期間中に、指定の方法で提出する
  6. 審査を経て、採択の可否が通知される

助成限度額が大きい制度である分、事業計画書には具体的な数値目標や投資の妥当性を示すことが求められます。

急いで書類を用意するのではなく、余裕を持って準備を始めることが採択への近道になります。

よくある疑問

  • 複数の区分にまたがる設備投資は申請できるか:区分ごとに対象となる取り組みの性格が異なるため、1つの申請では1つの区分を選ぶのが基本です。取り組みの内容が複数の区分にまたがる場合は、どの区分が最も合っているか、事前に公社へ相談することをおすすめします。
  • 賃上げコースを選ぶと必ず助成率が上がるか:賃上げコースは、賃金引上げ計画の策定・実施が条件になります。計画の内容や実施状況によって審査されるため、コースを選んだだけで自動的に助成率が上がるわけではありません。
  • 前回(第13回)に申請できなかった場合、第14回で再挑戦できるか:第13回と第14回は別の募集回にあたるため、要件を満たしていれば改めて申請することができます。ただし、前回の審査結果を踏まえて計画を見直すことをおすすめします。

制度の細かい運用は年度や募集回によって変わることもあるため、最終的な判断は必ず公社の公式サイトと最新の募集要項に基づいて行ってください。

出典・参照元

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