早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)とは?離職者の採用で最大40万円

国(全国対応)の補助金

倒産や解雇などで離職した人を採用したい。

そう考えたとき、事業主の側にもうひとつ知っておきたい制度があります。

厚生労働省の「早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)」は、再就職の支援対象となっている離職者を採用した事業主に対して助成する制度です。

全国のどの都道府県の事業者でも申請できます。

どんな人を採用した場合が対象か

この助成金の対象になるのは、次のような立場にある求職者を採用したケースです。

  • 再就職援助計画の対象になっている離職予定者・離職者
  • 求職活動支援書の対象になっている離職者
  • 雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇等による離職者)

つまり、会社都合等でやむを得ず離職した人の再就職を後押しする採用に対して、助成が行われる仕組みです。

対象になる時期の条件

令和8年度の運用では、令和8年4月8日以降に離職した人を対象としています。

制度の内容は年度ごとに見直しが行われることがあるため、対象になる離職時期の条件は、申請時点の最新情報で確認する必要があります。

面接を終えた求職者が、担当者から採用の連絡を受けて安堵した表情をしている様子

助成額の仕組み

助成額は、次のように設定されています。

区分 助成額(対象者1人あたり)
通常助成 30万円
成長性要件を満たす場合 40万円

成長性要件は、ローカルベンチマークの財務分析結果が一定水準以上であることや、直近2年度で従業員の平均給与を一定割合以上引き上げていることなどが目安になります。

助成には、年度・事業所あたりの支給人数に上限が設けられています。

この制度が持つ意味

離職には、労働者本人には防ぎようのない事情によるものも少なくありません。

倒産や解雇によって離職した人にとって、次の職場が早く見つかるかどうかは、生活の安定に直結する問題です。

この助成金は、そうした人材を積極的に受け入れる事業主を後押しすることで、労働市場全体の再就職の流れをスムーズにする狙いを持っています。

申請までの流れ

支給を受けるまでは、おおむね次の流れになります。

  1. 対象要件に当てはまる離職者を、通常の採用選考等を経て雇い入れる
  2. 雇用保険の被保険者として雇用契約を結ぶ
  3. 一定期間の雇用継続を確認したうえで、支給申請書を提出する
  4. 労働局の審査を経て、助成金が支給される

対象者が本当に要件を満たしているかどうかは、離職理由や離職時期の証明書類で確認されるため、採用時点で書類の有無を確認しておくと手続きがスムーズです。

こんな事業者に向いている制度です

早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)は、こうした事業者に向いています。

  • 経験者採用を検討しており、離職理由を問わず幅広く候補者を探している事業者
  • 賃金の引き上げなど、従業員の待遇改善にも積極的に取り組んでいる事業者
  • 中途採用を強化したいが、採用コストの負担を抑えたい事業者

再就職援助計画との関係を理解する

対象者の要件のひとつである「再就職援助計画」は、事業主が人員整理等を行う際に、離職予定者の再就職を支援するために作成する計画です。

つまり、この助成金は、ある会社で離職を余儀なくされた人が、別の会社でスムーズに再就職できるよう、社会全体で支える仕組みの一部として機能しています。

自社が採用する側であっても、こうした計画の存在や仕組みを理解しておくことで、対象者かどうかの見極めがしやすくなります。

離職前の会社側の書類(離職証明書や計画の写しなど)が必要になる場合もあるため、選考段階で候補者に確認しておくとよいでしょう。

成長性要件が意味すること

この助成金の助成額が2段階に分かれているのは、単に離職者を雇い入れるだけでなく、賃金水準の向上にも取り組む事業主を後押しするためです。

ローカルベンチマークによる財務分析結果や、従業員の平均給与の引き上げ実績といった成長性要件は、事業の健全性や賃上げへの取り組み姿勢を測るものさしとして使われています。

離職者の採用を検討する際に、あわせて自社の賃金水準の見直しを進めておくことで、より高い助成額の対象になる可能性が出てきます。

採用と待遇改善は別々の課題に見えますが、この助成金においては両方に取り組むことが、助成額の面でもメリットにつながる仕組みになっています。

離職理由を問われる採用だからこそ丁寧に

通常の中途採用では、応募者の離職理由を深く確認しないまま選考が進むこともあります。

一方でこの助成金を活用する場合は、対象者が要件を満たしているかどうかを確認するために、離職理由や離職時期に関する書類を確認する工程が必要になります。

結果として、採用担当者が応募者の背景を丁寧に確認する機会にもなり、ミスマッチの防止につながる側面もあります。

助成金の要件確認を、単なる事務作業ではなく、採用の質を高めるプロセスの一部として捉えるとよいでしょう。

申請前に整理しておきたいこと

申請を検討する際は、次の点を確認しておきましょう。

  • 採用予定の候補者が、再就職援助計画・求職活動支援書・特定受給資格者のいずれかに該当するか
  • 離職時期が、その年度の対象要件を満たしているか
  • 成長性要件(賃金引き上げ実績等)を満たせるかどうか
  • 支給申請の時期と、必要な証明書類

制度の見直しが多い分野であることに注意

雇用関係助成金は、年度ごとに要件や対象範囲が見直されることが少なくありません。

実際に、この早期再就職支援等助成金も、以前あったコースが廃止され、新しいコース構成に変わった経緯があります。

数年前の情報をもとに「この制度は使えるはずだ」と思い込んで進めてしまうと、実際には対象外になっているケースもあり得ます。

申請を検討する際は、必ずその時点の最新の公式情報を確認し、対象コースや要件が変わっていないかをチェックする習慣をつけておくことが大切です。

年度をまたぐ制度改正への備え

雇用関係助成金は、4月を境に要件が改正されることが多い分野です。

離職日の起点や助成額の水準は、年度が変わるタイミングで見直されることがあるため、前年度の情報のまま話を進めてしまうと、実際の要件と食い違ってしまうことがあります。

採用計画を年度をまたいで検討している場合は、年度の切り替わり前後で改めて最新の要件を確認する習慣をつけておくと安心です。

支給人数の上限を意識した採用計画

この助成金には、年度・事業所あたりの支給人数に上限が設けられています。

一度に大量採用を計画している場合、対象人数がその上限に収まるかどうかを、あらかじめ確認しておく必要があります。

上限を超える見込みがある場合は、採用時期を年度をまたいで分散させるなど、支給の対象になる範囲を意識した採用計画を立てることも検討してみてください。

他コースとの違いを混同しない

早期再就職支援等助成金には、雇入れ支援コースのほかにも、再就職支援コースや中途採用拡大コースといった別のコースが存在します。

それぞれ対象になる事業主・労働者の条件が異なるため、「早期再就職支援等助成金」という名前だけで一括りに考えず、自社のケースがどのコースに当てはまるのかを個別に確認する必要があります。

複数のコースの情報が混在した記事や資料を読む際は、コース名まで含めて確認する習慣をつけておくと安心です。

制度の詳細・最新の申請要件は、必ず公式情報でご確認ください。

出典:早期再就職支援等助成金|厚生労働省

早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース)
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