対象は限定的な制度です
横浜市展示会出展費用助成金は、国内展示会に出展する費用の一部を横浜市が助成する制度です。
ただし誰でも申し込めるわけではありません。
対象になるのは、米国の関税措置や中東情勢、日産自動車の経営再建策といった特定の外部要因の影響を受けている市内中小企業者に限られます。
展示会出展を検討している事業者でも、この条件に当てはまらなければ利用できません。
まずは自社が対象になるかどうかを、順番に確認していきましょう。
誰が対象になるのか
対象者の条件は少しわかりにくいので、丁寧に整理します。
まず全員に共通する基本要件があります。
- 横浜市内で12か月以上継続して営業している中小企業者であること
- 市税を滞納なく納めていること
- 「脱炭素取組宣言」を行っていること
- 法人または個人事業主であること(一般社団法人等は対象外)
このうえで、次の3パターンのいずれかに該当する必要があります。
- 米国の関税措置や中東情勢の影響で、売上高・売上総利益率(粗利率)・売上高営業利益率のいずれかが5%以上減少している
- 日産自動車の経営再建策(生産体制の縮小など)による影響を受けている
- 中東地域向け、または最終的に中東地域で使用される製品・部品・材料等を製造・供給しており、中東情勢の変化による影響を受けている
つまり「展示会に出るなら誰でも使える」制度ではありません。
外部環境の変化で経営に影響が及んでいる企業を支援する、という趣旨の助成金です。
自社が該当するかどうか迷う場合は、横浜市の窓口に相談するのが確実です。
対象者パターンごとの確認方法
3つのパターンは、証明に使う書式がそれぞれ異なります。
- パターン1(売上高・粗利率・営業利益率の5%以上減少):第2号様式(1)〜(3)のいずれかで証明します
- パターン2(日産自動車の経営再建策による影響):第2号様式(4)で証明します
- パターン3(中東情勢の変化による影響):第2号様式(5)で証明します
パターン1は、売上高・売上総利益率(粗利率)・売上高営業利益率のうち、どれか1つで5%以上の減少を示せば該当します。
比較の基準は前年同月、または直近決算です。
どの様式に当てはまるか判断しづらい場合は、申請書提出後のヒアリングで受託事業者から確認が入ります。
まずは該当しそうな様式で準備を進めれば大きな問題にはなりません。
何に使えるのか
対象になる経費は、国内で開催される展示会への出展にかかる費用です。
想定されているのは、来場者数15,000人以上、または出展社数800社以上といった規模のB2B商談型展示会です。
具体的には次のような費用が対象になります。
| 経費区分 | 内容の例 |
|---|---|
| 出展料 | 展示会主催者に支払う出展小間の料金 |
| 装飾費・施工費 | ブースの装飾・組み立てにかかる費用 |
| 設備リース料 | 展示に必要な什器・機材のレンタル料 |
| 電気使用料 | 会場での電気使用にかかる費用 |
| 運搬費 | 展示物や資材の搬入・搬出にかかる費用 |
自社製品の販路を広げたい、新しい取引先を開拓したいと考えている事業者にとって、出展コストの負担を軽くできる仕組みです。
助成額と助成率
助成額は、対象経費の2分の1です。
上限は30万円で、1,000円未満は切り捨てて計算します。
なお「横浜グランドスラム企業」に認定されている企業は、助成率が3分の2に引き上げられます。
横浜グランドスラム企業とは、横浜市が実施する複数の認定・表彰制度をあわせて取得した企業を指す横浜市独自の呼び方です。
自社が該当するかは、横浜市の案内で確認してください。
助成対象経費や助成率の詳細な計算方法は、公式情報でも随時更新される可能性があります。
申請前には必ず最新の公募要領を確認してください。
申請期間と募集状況
2026年度第2期の申請期間は、次のとおりです。
- 受付開始:2026年9月1日(火曜)9時00分
- 受付締切:2027年2月24日(水曜)17時00分
本日(2026年9月24日)時点で、第2期の募集は受付中です。
予算の残額についても、横浜市の公式ページでは十分な余裕がある状況として示されています。
ただし予算には上限があるため、締切日を待たずに受付が終了する可能性もあります。
申請を検討している場合は、早めに準備を進めることをおすすめします。

申請の流れ
申請から助成金の振込までは、複数のステップを踏みます。
全体像を先に押さえておくと準備しやすくなります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 事前準備 | 脱炭素取組宣言を行い、必要書類をそろえる |
| 申請書提出 | 展示会開始の1か月前までに提出する |
| ヒアリング | 受託事業者が電話等で要件を確認する |
| 交付決定通知 | 提出から約1か月程度で送付される |
| 展示会出展 | 交付決定通知の受領後に実施する |
| 実績報告書提出 | 事業完了後30日以内に提出する |
| 交付額確定通知 | 書類審査を経て送付される |
| 請求書提出 | 通知受領後1週間以内に提出する |
| 助成金振込 | 請求書受理後、約1か月で振り込まれる |
ここで押さえておきたいのは、交付決定通知を受け取ってから展示会に出展するという順番です。
先に出展してしまうと、対象外になる可能性があります。
必要書類
交付申請の際は、横浜市指定の様式で複数の書類を提出します。
- 交付申請書
- 事業計画書(法人概要・助成対象事業概要・対象経費)
- 誓約書
- 非課税確認同意書
- 役員等一覧表
- 要件確認書(該当する第2号様式)
事業終了後は、事業実績報告書に加え、展示会当日の写真を添付した詳細資料、対象経費の実績を提出します。
書類はファイル形式での提出が想定されており、1ファイルあたり100MB、全体で100MBまでという容量の目安が示されています。
準備には時間がかかるため、余裕を持って取りかかることをおすすめします。
申請にあたっての注意点
申請を進める前に、次の点を確認しておきましょう。
まず、対象者要件のうち自社がどのパターンに当てはまるのかを明確にしておく必要があります。
売上減少を理由にする場合は、5%以上の減少を示す資料が必要になると考えられます。
次に、出展を予定している展示会が、来場者数や出展社数などの規模要件を満たしているかどうかも確認が必要です。
「脱炭素取組宣言」を行っていない場合は、申請前に宣言の手続きが必要になります。
まだ済んでいない事業者は、早めに横浜市の案内を確認しておくと安心です。
これらの詳細な条件や必要書類は、公式情報では公募要領等で案内されています。
本記事の内容だけで判断せず、必ず一次情報を確認してください。
どのような事業者に向いているか
この助成金が向いているのは、次のような横浜市内の中小企業者です。
米国の関税措置や中東情勢の変化によって、売上や利益率が目に見えて落ち込んでいる企業には、活用の余地があります。
日産自動車の経営再建策の影響を受けるサプライヤー企業にとっても、販路の分散を後押しする制度になり得ます。
中東向けの製品製造・供給を行っている企業も対象に含まれるため、思い当たる場合は条件をよく確認してみてください。
一方で、こうした外部要因の影響が特に見当たらない企業は、この助成金の対象外です。
横浜市には他にも中小企業向けの支援制度があるため、別の制度を探すほうが近道かもしれません。
制度の詳細や最新の公募要領は、横浜市公式ページで確認できます。
申請を検討する際は、必ず最新の情報を公式ページで確認したうえで進めてください。


