久喜市では、事業所に省エネ・創エネ設備を入れる事業者向けに「令和8年度重点対策加速化事業補助金」を実施しています。
市内の店舗・工場・事務所などで、空調やLED照明の入れ替え、太陽光発電設備や蓄電池の導入を考えている事業者が関係する制度です。
高効率空調は費用の2分の1(上限100万円)、LED照明は2分の1(上限50万円)が補助の目安です。
ただし先着順で、予算がなくなり次第終了します。
この記事では、事業者向けの部分に絞って整理します。
制度の全体像と対象になる事業者
この補助金は、久喜市内に設備を設置する事業者向けのものです。
市民向けの区分と同じ制度の中にありますが、本記事では事業者向けの内容だけを扱います。
財源は、国の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金」です。
国の交付金を使い、市が地域の脱炭素を進めるための制度といえます。
対象となる設備は、次の4種類です。
- 自家消費型の太陽光発電設備
- 蓄電池
- 高効率空調機器
- 高効率LED照明機器
設備を設置する場所は、久喜市内であることが条件です。
市外の事業所に設置する設備は対象になりません。
個人事業主か法人かといった細かい対象者の線引きは、公式情報の確認が必要です。
申請前に、自社が事業者向けの区分に当てはまるかを市の窓口で確かめてください。
脱炭素とは、二酸化炭素(CO2)の排出を減らしていく取り組みのことです。
事業者にとっては、設備を新しくすることで電気の使用量が減り、結果として光熱費の負担軽減につながる可能性があります。
ただし、その効果は事業所の規模や使い方によって変わり、公式情報で金額が示されているわけではありません。
設備ごとの補助額と補助率
設備によって、補助の計算方法が違います。
公式ページに載っている内容を表にまとめました。
| 設備 | 補助額・補助率 | 上限・主な要件 |
|---|---|---|
| 太陽光発電設備 | 1kWあたり5万円 | 発電量の50%以上を自家消費する |
| 蓄電池 | 蓄電池価格の3分の1 | 太陽光で発電した電気を蓄電する前提 |
| 高効率空調機器 | 対象事業費の2分の1 | 上限100万円、CO2排出量が既設比30%以上減る |
| 高効率LED照明 | 対象事業費の2分の1 | 上限50万円、調光制御機能付きのLED |
蓄電池には、1kWhあたりの単価上限もあります。
20kWh以下の家庭用は14.1万円、20kWhを超える業務用は16.0万円です。
太陽光発電設備は、FIT・FIP認定を取得しないことも条件です。
売電で収入を得る設備ではなく、自分で使うことが前提です。
補助額の考え方は、設備ごとに3通りあります。
太陽光は出力(kW)に応じた定額、蓄電池と空調と照明は費用に対する割合です。
空調と照明は、割合で計算した額が上限を超えると、上限額で頭打ちになります。
そのため、同じ「補助率2分の1」でも、費用が大きい工事ほど実際の負担割合は高くなります。
自社の見積額で、補助後の負担がいくらになるかを早めに試算しておくと判断しやすくなります。
高効率空調の要件を読み解く
空調の補助で見落としやすいのが、CO2削減率の条件です。
既設の機器と比べて、CO2排出量が30%以上減ることが求められます。
古い機種から新しい機種に替えるだけでなく、削減率が公式の基準を満たすかどうかが大切です。
この計算の具体的な方法は、本記事では詳しく扱えません。
公式ページや市の窓口で確認してください。
補助額は対象事業費の2分の1ですが、上限は100万円です。
たとえば対象事業費が300万円でも、補助は2分の1の150万円ではなく、上限の100万円までとなります。
ここは試算の際に注意したい点です。
また、見積もりを取る段階で、業者に「この制度に使いたい」と伝えておくと話が進めやすくなります。
機種の型番や性能が要件を満たすかを、先に確認できるからです。
LED照明は調光制御の有無がポイント
LED照明は、費用の2分の1で上限50万円です。
どのLEDでもよいわけではなく、調光制御機能をもつ製品が対象です。
調光制御とは、明るさを調整できる機能のことです。
必要な場所だけ明るくするなどして、電気の使用量を減らす狙いがあります。
照明は空調に比べて工事が小さく、導入しやすい設備です。
店舗の売り場や事務所、倉庫など、長時間点灯している場所では電気代の削減も期待できます。
ただし削減額は施設によって異なり、公式情報で保証されているものではありません。
購入前に、候補の製品が調光制御機能をもつかを必ず確認しておきましょう。

たとえば、飲食店の厨房やホールの空調、小売店の売り場照明、工場や倉庫の照明などは、長時間使うため入れ替えの効果が出やすい場面です。
一方で、使用時間が短い設備は、投資に見合うかを慎重に考える必要があります。
補助金があるから導入する、という順番にならないよう注意しましょう。
太陽光・蓄電池を使うときの条件
太陽光発電設備は、1kWあたり5万円の補助です。
発電した電気の50%以上を自家消費することが求められます。
もうひとつ押さえたいのが、売電契約の条件です。
公式ページには、久喜新電力株式会社との売電契約の締結が必須と書かれています。
契約の内容や手続きは、公式情報で確認が必要です。
蓄電池は、太陽光で発電した電気をためることが前提です。
蓄電池だけを単独で導入する形は、公式ページの記載からは想定されていません。
自家消費とは、発電した電気を売らずに自社の事業所で使うことです。
昼間に営業する店舗や、日中に機械を動かす工場では、発電した電気を使い切りやすい傾向があります。
ただし、自社が50%以上を自家消費できるかどうかは、設計段階で業者と相談して確認する必要があります。
また、設置する屋根の状態や広さによって、載せられる容量も変わります。
補助額は容量に比例するため、見積もりの段階で出力(kW)を確認しておきましょう。
先着順と予算残額の見方
申請の受付は、令和8年5月18日から12月25日までです。
ただし先着順のため、予算がなくなった時点で受付は終わります。
12月25日まで必ず受け付けてもらえるわけではありません。
公式ページに載っている、令和8年9月29日時点の予算残額は次のとおりです。
| 設備 | 予算残額 | 執行率 |
|---|---|---|
| 太陽光発電 | 1,140万円 | 5.0% |
| 蓄電池 | 339.2万円 | 0.0% |
| 高効率空調 | 215.9万円 | 28.0% |
| 高効率照明 | 250万円 | 0.0% |
空調は執行率が28.0%で、ほかの設備より進んでいます。
空調の上限は1件100万円なので、残額から見ると、数件で埋まる可能性があります。
照明も250万円で、上限50万円なら数件分です。
検討中の事業者は、早めに市へ状況を問い合わせるのが現実的です。
この残額は9月29日時点のものです。
申請を決める前に、必ず最新の残額を確認してください。
残額の見方で注意したいのは、執行率が低くても安心できない点です。
蓄電池や太陽光は残額が大きく見えますが、1件あたりの額も大きくなりがちです。
申請時期は12月25日までですが、年末が近づくほど慌ただしくなります。
余裕をもった準備が大切です。
事業者向けと市民向けの違い
同じ制度名のもとに、市民向けの区分もあります。
ここでは混同しやすい点を整理します。
- 本記事で扱うのは、事業者が事業所に設置する設備です
- 市民向けの補助額や条件は、本記事では扱いません
- 予算の残額も、区分ごとに管理されていると考えられます
最後の点は、公式ページの事業者向けの残額表から読み取れる範囲の話です。
市民向けの予算との関係は、公式情報では確認できません。
また、他の市町村の補助金との併用はできません。
国や県の別の制度との関係も、使う前に窓口で確かめておくと安心です。
申請前に確認したいこと
この補助金は、申請すれば必ず受けられるものではありません。
要件を満たすことと、予算に余裕があることが前提です。
申請前に、次の点を確認しておきましょう。
- 設置場所が久喜市内であること
- 設備の性能が、公式の要件を満たすこと
- 他の市町村の補助金と重複しないこと
- 予算の残額がまだあること
- 申請から交付決定までの流れや、着工のタイミング
最後の流れについては、公式ページの内容を本記事では詳しく扱っていません。
工事を先に始めてよいかなど、大事な点は必ず市に確認してください。
制度の内容や残額は、更新される場合があります。
最新情報は久喜市公式ページ(令和8年度重点対策加速化事業補助金)で確認してください。


