江戸川区人材確保支援助成金は、区内の中小企業が人を採用するときにかかった費用の一部を、区が助成する制度です。
助成率は2分の1以内で、上限は最大20万円です。
対象になりうるのは、人材紹介会社への手数料、求人広告の掲載料、採用サイトの制作費、外国人材を雇うための費用などです。
区内に本社を置く経営者の方は、採用予算を考える際の選択肢として確認しておくとよいでしょう。
この記事では、メニューごとの違い、事前申請が必要な取組、申請の流れを整理します。
制度の概要と助成の考え方
この制度は、江戸川区が実施する採用活動の支援策です。
窓口は産業経済部経営支援課です。
ポイントは次の3つです。
- 助成率は、対象経費の2分の1以内です
- 上限額は最大20万円です
- 申請期限は令和9年3月5日(金)までです
「2分の1以内」とは、支払った費用の半分を上限に助成されるという意味です。
たとえば対象経費が30万円なら、助成額の目安は15万円までです。
ただし、公式ページには「予算額に達し次第、受付は終了」との注意書きがあります。
期限の直前ではなく、早めに動くことが大切です。
助成は審査を経て決まるため、申請すれば必ず受けられるわけではありません。
助成対象メニュー別の整理
対象は4つのメニューに分かれています。
公式情報にもとづいて表にまとめます。
| メニュー | 主な対象経費 | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 人材紹介会社に支払った手数料 | 最大20万円 |
| 求人広告等 | 求人サイト費、検索エンジン利用料、説明会参加料 | 最大20万円 |
| 自社ブランディング | 採用サイト制作費、PR動画・パンフレット制作費 | 最大10万円 |
| 外国人材雇用 | 登録支援機関の利用費、在留資格手続きの委託費 | 最大20万円 |
助成率はどのメニューも2分の1以内です。
自社ブランディングだけは、上限が10万円と低めに設定されています。
メニューごとの細かな上限額や対象外の経費の線引きは、公募時の資料で変わることもあります。
申請前に必ず公式の最新情報で確認してください。
事前申請が必要な取組と不要な取組
この制度で最も間違えやすいのが、申請のタイミングです。
公式ページでは、人材紹介手数料以外の3メニューは事前申請が必要とされています。
具体的には次のとおりです。
- 求人広告等を利用した採用活動
- 採用活動を目的とした自社ブランディング
- 外国人材の雇用を目的とした採用活動
これらは、サービスの利用申し込みをする前に区へ申請し、承認を受ける必要があります。
先に契約や支払いをしてしまうと、対象にならない可能性があります。
一方、人材紹介手数料は事前申請の対象外と読み取れます。
ただし、詳しい扱いは公式ページで確認してください。
目安として、次のように考えると整理しやすくなります。
- 求人サイトに掲載したい場合は、申し込む前に区へ相談します
- 採用サイトを作りたい場合は、制作会社と契約する前に申請します
- 紹介会社経由の採用は、手続きの時期を窓口で確認します
対象となる事業者と経費の条件
対象は、区内に本社を置く中小企業者です。
個人事業主の場合は、住所や主たる事業所が区内にあることが条件とされています。
公式ページに挙がっている主な要件は次のとおりです。
- 中小企業基本法に定める中小企業者であること
- 前年度の税金に滞納がないこと
- 東京都などから、同じ内容の補助金を受けていないこと
- 東京信用保証協会の対象業種であること
- 風俗営業ではないこと
- 就業規則が作成されていること
見落としやすいのが、就業規則の作成です。
従業員が少ない事業所では、まだ整えていないケースもあります。
申請書類にも写しの提出が含まれるため、早めに確認しておきましょう。
対象外になる経費の注意点
助成の対象になるのは、採用活動に直接かかった費用に限られます。
公式ページでは、次のような間接経費は対象にならないと明記されています。
- 消費税
- 振込手数料
- 交通費
- 通信費
- 光熱費
たとえば、求人広告費が22万円(税込)だった場合、助成額の計算は税抜きの金額が基準になると考えられます。
この点は公式情報では細かく確認できないため、窓口で相談するのが確実です。
また、面接に来た応募者の交通費や、採用担当者の通信費なども対象外です。
採用にかかる費用のすべてが戻るわけではない点に注意してください。
申請の流れと必要書類
申請は、まず区の窓口へ電話で連絡し、その後に書類を持参する流れです。
令和8年度からは電子申請も可能になりました。
電子申請にはGビズID(プライム)の取得が必要です。
GビズIDは取得に時間がかかることがあるため、使う予定なら早めに準備してください。
全メニュー共通で必要な書類は、公式ページで次のとおり示されています。
- チェックシート
- 助成金交付申請書兼請求書
- 事業所概要
- 前年度の納税証明書
- 就業規則の写し
- 事業計画書または事業報告書
メニューごとに追加の書類があるかどうかは、公式ページの案内に従ってください。
窓口は、区役所東棟1階2番窓口の産業経済部経営支援課相談係です。
電話番号は03-5662-0525と案内されています。

他の補助金との重複と申請前の準備
公式ページでは、東京都などから同じ内容の補助金を受けている場合は対象にならないとされています。
たとえば、東京都の採用支援の助成を同じ費用で受ける場合は、重複にあたる可能性があります。
すでに別の補助金や助成金を利用している、または申請を考えている場合は、どの費用がどちらの対象か整理しておきましょう。
判断に迷う場合は、区の窓口へ事前に伝えておくと安心です。
申請前の準備として、次の3点を進めておくとスムーズです。
- 前年度の納税証明書を、税務署や都税事務所などで取得しておく
- 就業規則の写しを、最新の内容で用意しておく
- 採用で何をしたいのか、簡単な事業計画をまとめておく
書類がそろっていないと、申請の受付までに時間がかかります。
特に納税証明書は、窓口で発行までに日数がかかることもあるため、余裕を持って動いてください。
採用活動のスケジュールの考え方
事前申請が必要なメニューでは、スケジュールの組み方が結果を左右します。
大まかな流れは次のとおりです。
- 採用したい人材や時期を決め、使いたいメニューを選ぶ
- 区の窓口へ電話で連絡し、必要書類を確認する
- 申請書類をそろえ、区へ提出して承認を受ける
- 承認後に、求人サイトや制作会社へ申し込む
- 実績にもとづき、助成金の請求を行う
ポイントは、3の承認を受けてから4に進むことです。
求人広告を掲載したい日の直前に申請すると、承認が間に合わない恐れがあります。
なお、承認までにかかる日数や、請求の具体的な手続きの詳細は、公式ページの冒頭部分では確認できませんでした。
窓口で目安を聞いておくとよいでしょう。
どのような事業者に向いているか
この制度は、次のような場面で検討しやすいでしょう。
- 求人サイトへの掲載費が負担になっている事業者
- 初めて採用サイトやPR動画を作りたい事業者
- 人材紹介会社を使った採用を検討している事業者
- 外国人材の雇用に取り組みたい事業者
たとえば、飲食店が求人サイトに掲載するときの費用や、製造業が合同説明会に参加するときの参加料などが該当しうる例です。
ただし、実際に対象になるかは区の審査によります。
採用は、費用だけでなく、時期の見通しも大切です。
募集を始めたい時期から逆算して、事前申請の期間を確保しておくと慌てずに済みます。
申請前に確認したい公式情報
申請期限は令和9年3月5日(金)までですが、予算に達した時点で受付が終わります。
「まだ期限まで間がある」と思っていても、受付が終わっている場合があります。
制度の内容は年度ごとに見直されることがあります。
最新の募集状況、助成額、必要書類は、必ず下記の公式ページで確認してください。
迷ったときは、経営支援課の窓口に、どのメニューが自社に合うか相談してみてください。
申請前の相談は、手戻りを防ぐ近道です。


