社員からテレワークを増やしたいと言われるけれど、パソコンやセキュリティ環境を整える費用が気になる。
そんな都内の中堅・中小企業を支えるのが、東京都の「テレワークトータルサポート助成金」です。
募集期間が9か月以上と長く、2026年9月21日時点でも申請を受け付けている、いま動きやすい制度の一つです。
都内企業のテレワーク環境整備を支える助成金
実施主体は東京都と公益財団法人東京しごと財団です。
対象は、常時雇用する労働者が2人以上999人以下で、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業等です。
申請にあたっては、東京都の「テレワーク相談窓口」を利用していることが条件になっています。
いきなり申請書を作成するのではなく、まず相談窓口を通じて自社の状況を整理する流れになっている点が特徴です。
対象経費と助成額の目安
対象経費は、テレワークを行うための機器導入にかかる費用が中心です。
主な内訳は次のとおりです。
| 対象経費 | 助成上限の目安 |
|---|---|
| パソコン購入費 | 機器1台あたり10万円 |
| 設置・設定作業費 | 機器1台あたり3万円 |
| VPN設定費 | 1申請あたり15万円 |
助成対象経費については、経費の1/3または1/2以上を自己負担することが前提とされています。
全額が助成される制度ではない点に注意が必要です。
具体的な助成率や総額の上限は、募集要項に細かく定められているため、申請前に必ず最新の要項で確認することをおすすめします。

現在の募集状況
令和8年度の申請期間は、令和8年5月29日から令和9年2月5日までです。
2026年9月21日時点では、この期間の途中にあたり、受付中の状態です。
申請方法は、郵送または電子申請システム「Jグランツ」のいずれかを選べます。
長期にわたって受け付けている制度ですが、予算の状況によっては期間内であっても早期に受付が終了する可能性があるため、検討が固まった段階で早めに申請することをおすすめします。
東京都のテレワーク関連助成金は複数ある
東京都・東京しごと財団は、テレワークに関する助成金をこの制度以外にも複数実施しています。
名称が似ている制度が多いため、混同しないよう整理しておきましょう。
- テレワークトータルサポート助成金(この記事で紹介している制度)
- テレワーク定着強化奨励金
- サテライトオフィス勤務導入奨励金
- ワーケーション勤務導入奨励金
いずれも東京しごと財団が窓口となっていますが、対象とする取り組みや助成内容はそれぞれ異なります。
自社が整備したい環境が「機器導入」なのか「サテライトオフィスの活用」なのかによって、当てはまる制度が変わってきます。
制度名だけを見て申請先を決めてしまうと、自社の取り組みに合わない制度を選んでしまうこともあります。
まずはテレワーク相談窓口に相談し、自社に合う制度を整理してもらうところから始めるのが確実な進め方です。
申請前に準備しておきたいこと
- 東京都の「テレワーク相談窓口」への相談実績
- 導入したい機器・ソフトの見積もり
- 常時雇用する労働者数が要件(2人以上999人以下)を満たしているか
相談窓口の利用が前提条件になっているため、申請を思い立ったらまず窓口に問い合わせるところから始めるとよいでしょう。
テレワーク導入が進まない理由と制度の役割
中小企業でテレワークがなかなか進まない理由として、パソコンやセキュリティ環境を整える初期費用の負担が挙げられることが多くあります。
特に、社員数の少ない企業ほど、機器を人数分そろえるだけでもまとまった支出になりがちです。
この助成金は、そうした初期費用の一部を助成することで、テレワークに踏み出す最初のハードルを下げる役割を担っています。
育児や介護と仕事の両立、通勤負担の軽減など、働き方の選択肢を広げたいと考えている企業にとって、活用の余地がある制度だといえます。
ただし、助成金はあくまで導入費用の一部をカバーするものであり、テレワークの運用ルールづくりや、社員への浸透までを保証するものではありません。
制度を使って環境を整えたあとも、実際にテレワークが定着するよう、社内での運用を工夫していくことが大切です。
こんな企業に向いている制度
- テレワーク環境を整えたいが、パソコンやセキュリティ設定の費用が負担になっている企業
- 常時雇用する労働者が2人以上999人以下で、都内に事業所を置く中堅・中小企業
- 育児や介護と仕事の両立のため、社員の働き方を柔軟にしたいと考えている企業
助成対象経費の1/3から1/2以上は自己負担になる前提の制度です。
導入したい機器やソフトの費用を整理したうえで、どの程度の助成が受けられるかを事前に確認しておくと安心です。
申請を検討している方は、必ず東京しごと財団の公式サイトで最新の募集要項と助成率を確認してください。
申請の大まかな流れ
この助成金を利用する際は、おおむね次のような流れになります。
- 東京都の「テレワーク相談窓口」に相談し、自社の状況を整理する
- 導入したい機器・ソフトの見積もりを取得する
- 常時雇用する労働者数など、対象要件を満たしているか確認する
- 郵送またはJグランツを通じて、必要書類を申請期間中に提出する
- 審査を経て、助成の可否が通知される
相談窓口の利用が前提条件になっている点が、この制度の大きな特徴です。
書類だけを整えて申請するのではなく、まず相談を通じて自社に合う整備方法を確認するところから始まります。
よくある疑問
- すでにテレワークを導入済みの企業でも申請できるか:この助成金は機器導入にかかる費用を対象にしているため、新たに導入する機器・設定であれば、すでに一部でテレワークを行っている企業でも対象になり得ます。詳細は募集要項で確認してください。
- 常時雇用する労働者が1,000人を超える企業は対象外か:対象要件は「2人以上999人以下」とされているため、1,000人を超える企業は対象外になります。
- 助成率はどのくらいか:対象経費の1/3または1/2以上を自己負担することが前提とされていますが、具体的な助成率は募集要項に定められています。申請前に必ず確認してください。
制度の詳細な運用は年度によって見直されることもあります。
申請を検討する際は、必ず東京しごと財団の公式サイトで最新の情報を確認してください。
募集期間は長めに設定されていますが、予算状況によっては期間内でも受付が早期に終了する可能性がある点も、あわせて念頭に置いておきたいところです。
導入したい機器やソフトの選定に時間がかかることも多いため、余裕を持って検討を始めることをおすすめします。
社内での運用ルールづくりも並行して進めておくと、機器が届いたその日からスムーズにテレワークを始められます。
制度と社内体制の両輪がそろって、はじめてテレワークは長く定着していきます。
まずは相談窓口への問い合わせから、一歩を踏み出してみてください。
小さな環境整備が、社員の働きやすさを大きく変えるきっかけになります。


