江戸川区には、区内の中小企業者がお客さまを増やすための費用を支援する「販路拡大支援事業助成金」があります。
ホームページの作成・改修、企業紹介動画の作成、展示会への出展が対象です。
助成額は費用の2分の1以内で、メニューによって上限が決まっています。
この記事では、3つのメニューの違いと申請の進め方を、制度に詳しくない方にも分かるように整理します。
制度の概要と対象となる事業者
この制度は、江戸川区が実施する販路拡大のための助成金です。
窓口は産業経済部の経営支援課です。
対象者の主な条件は次のとおりです。
- 中小企業基本法で定める中小企業者であること
- 区内に本社(個人事業者は住所・主たる事業所)があること
- 前年度の法人住民税・法人事業税に滞納がないこと(個人事業者は住民税・個人事業税)
- 対象事業について、東京都など他の機関から助成を受けていないこと
- 東京信用保証協会の保証対象業種で、公序良俗に反しないこと
- 風俗営業などを営んでいないこと
条件はすべて満たす必要があります。
個人事業者も対象に含まれる書き方になっているため、区内で開業しているフリーランスの方も、まず条件を確認してみる価値があります。
ただし、審査や要件があるため、誰でも受け取れるわけではありません。
3つのメニューの補助額を比べる
助成の対象は3種類です。
補助率はいずれも「2分の1以内」で、上限額はメニューごとに異なります。
| メニュー | 対象となる費用 | 上限額 |
|---|---|---|
| ホームページ作成・改修 | 外注によるHPの作成・リニューアル | 10万円(ECまたは多言語対応は20万円) |
| 企業紹介動画 | 外注による動画の作成 | 10万円 |
| 展示会出展(国内) | 出展小間料 | 20万円 |
| 展示会出展(国外) | 出展小間料など | 30万円 |
| 展示会出展(オンライン) | 出展小間料 | 10万円 |
たとえば国内の展示会で小間料が30万円かかった場合、2分の1は15万円です。
上限の20万円には届かないため、15万円が目安になります。
逆に小間料が50万円なら、2分の1は25万円ですが、上限の20万円までとなります。
実際の助成額は審査で決まるため、あくまで計算上の目安として考えてください。
ホームページ作成・改修で使えるケース
ホームページのメニューは、外注して新しく作る場合と、既存のサイトをリニューアルする場合の両方が対象です。
基本の上限は10万円です。
上限が20万円になるのは、ECまたは多言語対応を行う場合です。
公式情報では、次の費用が対象経費に含まれるとされています。
- ネットショップ機能を追加するための費用
- 外国語に対応するための翻訳費用
たとえば、店の商品をネットで売りたい事業者や、海外からのお客さまにも情報を届けたい事業者が想定されます。
注意したいのは、外注先の条件です。
商業・法人登記をしている法人か、開業届を出している個人事業者に限られます。
知人に個人的に頼む場合などは、この条件に合うか事前に確認しておくと安心です。
また、サーバーの年間利用料は対象外の経費です。
見積書の内訳を、対象になる費用とならない費用に分けておくと、後の書類づくりが楽になります。
企業紹介動画と展示会出展の考え方
企業紹介動画は、外注して作る費用が対象で、上限は10万円です。
会社の強みや商品の魅力を、映像で伝えたい事業者向けです。

展示会出展は、国内・国外・オンラインの3区分があります。
対象は主に出展小間料です。
国外の展示会では、小間料に加えて次の費用も対象経費に含まれるとされています。
- 輸送を委託する費用
- 海外展示会用のチラシなどの作成費
- 現地の通訳費
一方で、対象にならない展示会があります。
- 産業ときめきフェアinEDOGAWA
- 販売を主な目的とする展示会
- 過去に利用済みの展示会
- 申請時点で開催中の展示会
出展を検討している展示会が当てはまらないか、申し込む前に区へ確認しておくと確実です。
同一年度1回までの使い分け
この助成は、同一の対象者につき、同じ年度内に1回までです。
3つのメニューを同じ年度にすべて使うことはできません。
そのため、どのメニューを選ぶかが大切になります。
考え方の例を挙げます。
- 自社サイトが古く、問い合わせが少ない場合は、ホームページの改修
- 商品をネットで売りたい場合は、EC機能を加えるホームページ作成
- 実物を見せて商談につなげたい場合は、展示会出展
- 海外の取引先を探したい場合は、国外展示会の出展
上限額だけで選ぶと、自社の目的に合わないことがあります。
「今、いちばん足りていない販路は何か」から考えるのが、遠回りに見えて近道です。
なお、翌年度の利用については、公式情報では詳しい扱いを確認できませんでした。
次年度の利用を考える場合は、区に問い合わせてください。
申請期間と申請の流れ
申請期限は、令和9年3月5日(金曜日)までです。
大きな特徴は、事業を実施したあとに申請する点です。
公式情報では「事業実施後に申請書類を提出」とされています。
先にお金を払い、あとから助成を申請する流れなので、資金繰りには注意が必要です。
流れは次のとおりです。
- 対象事業(HP作成、動画作成、展示会出展)を実施する
- 必要書類をそろえる
- 窓口への持参、メール、または電子申請のいずれかで提出する
電子申請は、令和8年4月以降に利用できます。
GビズIDの「プライム」アカウントが必要で、様式をダウンロードして入力し、電子データとして添付する方式です。
GビズIDの取得には時間がかかる場合があるため、使う予定があれば早めに準備しておくと安心です。
なお、記事作成時点で確認できた公式ページには、申請期限の記載はありましたが、受付状況(受付中・終了など)を示す表示は確認できませんでした。
予算の上限に達した場合の扱いも、公式情報では確認できません。
必要書類と対象外経費の注意点
提出する主な書類は次のとおりです。
- チェックシート
- 助成金交付申請兼請求書
- 事業所概要
- 事業報告書
- 前年度の法人住民税・法人事業税の納税証明書
- 個人事業者は、開業届の写しまたは確定申告書の写し
- 対象経費の請求書・領収書の写し
これに加えて、メニューごとの資料が必要です。
| メニュー | 追加で必要な資料 |
|---|---|
| ホームページ | 作成前後のウェブサイト |
| 動画 | 記録した電子媒体(DVD・USBなど) |
| 展示会 | 概要資料、出展申込書の写し、展示風景の写真4枚 |
オンライン展示会の場合は、開催を証明する資料が必要です。
対象外の経費もあります。
消費税、振込手数料、交通費、通信費、光熱費、サーバーの年間利用料などの間接的な経費は、助成の対象になりません。
請求書は、あとから内訳を示せる形で受け取っておきましょう。
また、国・東京都・ほかの地方公共団体の助成を同じ事業で使う場合は、この助成は適用されません。
公式情報の確認先と問い合わせ
制度の内容は、年度や運用の見直しで変わることがあります。
申請の前には、必ず最新の公式情報を確認してください。
問い合わせ先は、江戸川区経営支援課の相談係です。
区役所東棟1階にあり、電話番号は03-5662-0525です。
相談するときは、次の点をメモしておくと話が早く進みます。
- 事業の種類(個人か法人か、業種)
- 使いたいメニュー
- 見積額と発注予定先
- 実施予定の時期
自社が対象になるか迷う場合は、見積書を取る前に相談するのがおすすめです。
対象外の経費や展示会に気づかないまま進めてしまう失敗を防げます。
この記事は制度を整理した案内であり、個別の判断は区の窓口で確認してください。


