葛飾区の「人材確保・人材定着支援事業費助成」は、働きやすい職場づくりにかかる費用の一部を区が助成する制度です。
区内に事業所を持つ中小企業が対象です。
休憩スペースやロッカー室の改修、暑さ・寒さ対策の備品の購入などに使える可能性があります。
助成率は対象経費の2分の1で、上限は250万円です。
この記事では、対象になる取り組みの具体例から申請前の準備、申請期間までを整理します。
制度の概要と助成額
この制度の目的は、働きやすい職場環境をつくり、人材の確保と定着を後押しすることです。
実施主体は葛飾区(産業経済課 経営支援係)です。
主な内容を表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成率 | 対象経費の2分の1 |
| 上限額 | 250万円 |
| 上限額(WLB推進企業認定あり) | 300万円 |
| 申請期間 | 令和8年4月1日〜令和9年2月26日(必着) |
| 問合せ先 | 産業経済課 経営支援係 |
WLBとは、ワーク・ライフ・バランスのことです。
区の認定を受けた企業は、上限が300万円になります。
たとえば対象経費が400万円なら、助成率2分の1で200万円が目安です。
ただし、実際の助成額は審査や経費の内容によって変わります。
対象となる企業の条件
対象は、葛飾区内に事業所がある中小企業です。
中小企業かどうかは、中小企業基本法の区分に沿って判断されます。
業種ごとの規模の目安は次のとおりです。
- 製造業など:資本金3億円以下、または従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下、または従業員100人以下
- サービス業など:資本金5,000万円以下、または従業員100人以下
- 小売業・飲食業:資本金5,000万円以下、または従業員50人以下
規模のほかにも、満たすべき条件があります。
- 常時使用する従業員が1人以上いること
- 育児・介護休業法に対応した就業規則を、労働基準監督署に届け出ていること(令和9年3月までの届出予定でも可)
- 葛飾区SDGs宣言を実施していること
- 類似の補助金を重複して受けていないこと
- 直近の税金を滞納していないこと
最初に自社が当てはまるか、順番に確認しておくと安心です。
対象となる職場環境整備の具体例
対象経費は大きく3つに分かれます。
どれも「従業員のための環境改善」が軸です。
施設の工事・設計費には、従業員用のトイレ、ロッカー室、休憩スペース、シャワー室などの整備が含まれます。
バリアフリー対応の施設工事も対象です。
ただし、エアコンは対象外とされています。
暑さ・寒さ対策の備品購入費では、スポットクーラーやストーブなどが例に挙げられています。
固定式のものは対象外です。
消耗品の購入費には、ファン付き作業服、ヒーター付き作業服、熱中症警報のリストバンドなどがあります。
使い捨てのものは対象外です。
倉庫や工場、屋外作業の多い建設業などでは、暑熱・寒冷対策の備品が使いやすいでしょう。
オフィスや店舗なら、休憩室やロッカー室の整備が検討しやすいと考えられます。

対象かどうか迷う経費は、購入や工事の前に区へ確認するのが確実です。
固定式かどうか、使い捨てかどうかといった細かな線引きがあるためです。
申請前に整えておく社内体制
この制度では、費用の使い道だけでなく、社内の体制も見られます。
とくに2点を先に済ませておく必要があります。
1つ目は、就業規則の届出です。
育児・介護休業法に対応した内容で、労働基準監督署へ届け出ます。
公式ページでは、令和9年3月までの届出予定でもよいと案内されています。
2つ目は、葛飾区SDGs宣言です。
申請時点で実施済みであることが条件になっています。
宣言の手続きは別に必要なため、早めに区の案内を確認しましょう。
また、従業員が常時1人以上いることも欠かせません。
代表者のみの事業所は対象外になる点に注意してください。
これらの準備に時間がかかる場合があります。
工事の発注より先に、体制面から整えるのがおすすめです。
申請方法と必要書類
申請は、オンラインか、郵送・持参のどちらかで行います。
持参の場合の受付先は、テクノプラザかつしか内です。
オンライン申請では、工事・設計費と、備品・消耗品の購入費で、使うフォームが異なります。
申し込む経費の種類を間違えないようにしましょう。
公式ページに挙げられている主な書類は次のとおりです。
- 交付申請書(第1号様式)
- 交付申請兼実績報告書(第9号様式)
- 事業計画書(別紙様式1)
- 企業概要(別紙様式2)
- 従業員名簿(別紙様式3)
- そのほか実績報告に必要な書類
様式の最新版や追加書類は、区の公式ページで確認してください。
申請のタイミングと流れ
この制度は、工事や購入が終わり、支払いまで済んだ後に申請する形です。
公式情報では、申請前に支払いを済ませていてもよいとされています。
流れの目安は次のとおりです。
- 対象になるかを確認する
- 就業規則とSDGs宣言を整える
- 工事や備品の購入を行い、支払いを済ませる
- 必要書類をそろえて申請する
- 工事・設計費の場合は実績報告を行う
実績報告が必須とされているのは、工事・設計費のみです。
提出期間は、事業費の支払い後から令和9年3月31日までと案内されています。
申請期間は令和8年4月1日から令和9年2月26日まで(必着)です。
郵送の場合は、到着日が基準になる点に注意してください。
申請回数の制限と注意点
同じ経費を何度も申請できるわけではありません。
公式ページには、次のような回数の制限があります。
| 経費の種類 | 申請の目安 |
|---|---|
| 工事・設計費 | 年1回 |
| 備品購入費 | 6年度に1回 |
| 消耗品購入費 | 3年度に1回 |
備品や消耗品は、間隔が空く設計です。
今年度に何を優先するか、計画的に選ぶとよいでしょう。
この制度は令和8年度実施分が対象です。
過去年度の情報と混ざらないよう、年度の表記を確認してください。
助成には審査や予算があり、申請すれば必ず受けられるわけではありません。
経費の内容が対象外と判断される場合もあります。
助成額の考え方と自己負担の目安
助成率は2分の1なので、残りの2分の1は自己負担です。
資金計画は、この前提で立てる必要があります。
仮に、休憩スペースの改修に300万円かかったとします。
助成率だけで見ると150万円が目安です。
上限250万円の範囲内なので、計算上はそのままの額になります。
一方、対象経費が600万円の場合、2分の1は300万円です。
しかし上限があるため、通常は250万円までとなります。
WLB推進企業の認定を受けていれば、300万円までが上限です。
この例はあくまで計算上の目安です。
実際に認められる経費の範囲は、区の審査で決まります。
見積書や領収書の内容も、確認される可能性があります。
また、工事や購入の支払いは先に自社で行います。
助成金が入るまでの資金繰りも、あわせて考えておきましょう。
こんな事業者に向いています
この制度は、従業員の働く環境を具体的に改善したい事業者に向いています。
たとえば、次のようなケースが考えられます。
- 夏場や冬場の作業環境が厳しく、離職が気になる
- 休憩スペースやロッカー室が手狭で、改修を検討している
- 女性や高齢の従業員も働きやすい設備を整えたい
反対に、就業規則の届出やSDGs宣言がまだの場合は、先にそちらの準備が必要です。
なお、申請期間は令和9年2月26日までですが、準備や支払いの時間も見込んでおきましょう。
早めに産業経済課へ相談すると、見落としを防げます。
問合せ先は、葛飾区産業経済課 経営支援係(テクノプラザかつしか1階)です。
電話は03-3838-5556と案内されています。
対象経費の可否や書類の書き方は、ここで確認できます。
最新の募集状況や様式は、葛飾区公式ページ(人材確保・人材定着支援事業費助成)で確認できます。
申請前には、必ず最新の情報と要綱をご確認ください。


