キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?非正規社員を正社員にすると使える助成金

国(全国対応)の補助金

パートや契約社員として長く働いてくれているスタッフを、正社員として迎えたい。

そう考えたとき、人件費の増加が気になって踏み切れない事業者もいるのではないでしょうか。

厚生労働省の「キャリアアップ助成金」正社員化コースは、そうした非正規雇用労働者の正社員転換を後押しする助成金です。

全国どこの事業者でも利用できます。

正社員化コースの位置づけ

キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者・パート・派遣労働者といった非正規雇用労働者の処遇改善に取り組む事業主を対象にした助成金制度です。

その中の「正社員化コース」は、有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換・直接雇用した場合に支給されるコースです。

対象になる事業主・労働者

対象になるのは、有期雇用労働者やパート、派遣労働者などを正社員として転換・直接雇用する事業主です。

対象となる労働者には、転換前の雇用期間や、転換後の雇用形態などに関する要件が設けられています。

新規学卒者(雇入れから1年未満の学卒者)は対象から除外されている点にも注意が必要です。

支給額の目安

支給額は、対象労働者1人あたりで計算されます。

項目 内容
正社員化コースの支給額 労働者1人あたり最大140万円(加算含む)
情報公表加算 1事業所あたり20万円(大企業は15万円)

2026年度からは、正規雇用労働者への転換等の情報を自ら公表した場合の「情報公表加算」が新たに追加されました。

事務所でパート従業員に正社員登用の辞令を手渡している様子

2026年度の主な変更点

令和8年度は、次のような見直しが行われています。

  • 「重点支援対象者」区分の導入
  • キャリアアップ計画書の手続き簡素化(認定不要・届出のみに変更)
  • 新規学卒者(雇入れから1年未満)を支給対象から除外
  • 情報公表加算の新設

これまでキャリアアップ助成金を利用したことがある事業者も、最新の要件を確認しておくことをおすすめします。

申請できる時期

キャリアアップ助成金は、特定の期間だけ募集される制度ではなく、通年で申請を受け付けています。

「キャリアアップ計画」を作成し、その計画に基づいて正社員転換等を行った場合に申請する仕組みです。

年度の途中からでも取り組みを始められる制度なので、思い立ったタイミングで準備を進めることができます。

申請までの流れ

申請は、おおむね次の流れで進みます。

  1. キャリアアップ計画を作成し、労働局へ届け出る
  2. 対象労働者を正社員等へ転換・直接雇用する
  3. 転換後、一定期間の賃金を支払う
  4. 支給申請書類を提出する
  5. 審査を経て助成金が支給される

計画の届出は、転換等の取り組みを始める前に行う必要があるため、順番を間違えないようにしましょう。

申請前に確認しておきたいこと

申請を検討する際は、次の点を整理しておくとよいでしょう。

  • 正社員化を検討している労働者の雇用形態・雇用期間
  • キャリアアップ計画の届出のタイミング
  • 転換後の賃金額や労働条件
  • 情報公表加算の対象になるかどうか

「重点支援対象者」区分とは

令和8年度から導入された「重点支援対象者」という区分は、より支援の必要性が高いとされる労働者を対象にした区分です。

この区分に該当する労働者を正社員化した場合、通常の支給額に加えて、さらに手厚い支援が受けられる仕組みが設けられています。

対象になる労働者の要件は細かく定められているため、該当するかどうかは公式情報で確認する必要があります。

情報公表加算を活用するメリット

2026年度に新設された情報公表加算は、正規雇用労働者等への転換等に関する情報を、自社のウェブサイトや職場情報総合サイト「しょくばぼ」に公表した場合に上乗せされる加算です。

単に助成金を受け取るだけでなく、自社の取り組みを外部に発信することで、採用活動における魅力づけにもつながる仕組みといえます。

人材確保の観点からも、あわせて活用を検討する価値があります。

こんな事業者に向いている制度です

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、こうした事業者に向いています。

  • 長く働いてくれているパート・契約社員を正社員として迎えたい事業者
  • 非正規雇用から正規雇用への転換を進め、人材の定着を図りたい事業者
  • 人材確保の一環として、処遇改善に取り組みたい中小企業

就業規則の整備も忘れずに

正社員化コースを利用するには、正規雇用労働者への転換制度を、あらかじめ就業規則等に規定しておく必要があります。

転換制度を規定しないまま個別に正社員化しただけでは、助成金の対象にならない場合があります。

就業規則の整備状況に不安がある場合は、社会保険労務士など専門家に相談しながら、制度を明文化しておくことをおすすめします。

転換の実施日と、就業規則の施行日の前後関係も、審査で確認される重要なポイントです。

よくある疑問

Q. アルバイトでも対象になりますか?
有期雇用労働者・パート・派遣労働者などが対象です。

雇用形態や雇用期間などの要件を満たしているか、事前に確認してください。

Q. 新卒採用したばかりの社員は対象になりますか?
令和8年度は、新規学卒者(雇入れから1年未満)が支給対象から除外されています。

Q. キャリアアップ計画は毎回作り直す必要がありますか?
令和8年度からは手続きが簡素化され、認定は不要で届出のみとなっています。

詳しい手続きは公式情報で確認してください。

Q. 転換後、すぐに退職されたらどうなりますか?
一定期間の雇用継続や賃金支払いの実績が支給要件に含まれています。

転換後まもなく退職した場合、支給要件を満たさない可能性があるため、詳細は公式情報で確認してください。

Q. 派遣労働者を正社員化する場合も対象になりますか?
派遣労働者を直接雇用したうえで正社員化する場合も、要件を満たせば対象になります。

派遣元・派遣先それぞれの手続きが関係するため、事前の確認が重要です。

Q. 転換前後で職務内容が変わっていなくても対象になりますか?
雇用形態の転換が主な要件であり、職務内容の変更は必須ではありません。

詳しい要件はコースの支給要領で確認してください。

Q. 一度にたくさんの従業員を転換すると支給額も増えますか?
対象労働者の人数に応じて支給額が積み上がる仕組みです。

ただし、1事業所あたりの支給人数に上限が設けられている場合があるため、事前に確認しておきましょう。

制度の詳細・最新の申請要件は、必ず公式情報でご確認ください。

出典:キャリアアップ助成金|厚生労働省

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正社員化は、労働者にとっても事業者にとっても大きな節目です。

助成金の活用を検討する際は、対象労働者本人との話し合いも大切にしながら、無理のない形で進めていくことをおすすめします。

申請手続きに不安がある場合は、社会保険労務士などの専門家に相談する方法もあります。

就業規則の整備から支給申請まで、計画的に準備を進めていきましょう。

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