墨田区内に事業所を持つ中小企業が、国内外の展示会などで販路を広げる際の費用を、区が一部補助する制度が「区内生産品等販路拡張事業補助金」です。
展示会の出展料や展示装飾費、運搬費、パンフレット制作費などが対象になる可能性があります。
対象は区内の中小企業と、一定の条件を満たす団体です。
この記事では、補助率と上限額、国内と海外の違い、オンライン展示会の扱い、申請前の注意点を整理します。
令和8年度の制度内容にもとづく解説で、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。
制度の概要と対象となる事業者
この補助金は、墨田区内で生産された製品などの販路を広げる取り組みを後押しする制度です。
国内外で行う展示会への出展や商業広告などが、補助の対象事業として挙げられています。
対象となるのは、次の2タイプです。
- 区内に事業所を持つ中小企業(国内または海外の販路拡張事業を行う方)
- 区内に事業所を持つ中小企業が5社以上加入している団体、またはその支部
個人事業主が対象になるかどうかは、公式情報では確認できません。
個人で検討する場合は、区の窓口で事前に確認すると安心です。
なお、即売(その場での販売)を主な目的とする事業は対象外です。
「売ること」より「取引先や販路を開拓すること」が目的の事業が想定されています。
企業・創業者・団体の補助額を比較
補助率と上限額は、対象者や事業の種類によって異なります。
公式ページで示されている内容を表にまとめました。
| 対象者 | 事業の種類 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| 企業 | 国内事業 | 1/2 | 20万円 |
| 創業者 | 国内事業 | 2/3 | 20万円 |
| 企業 | 海外事業 | 1/2 | 40万円 |
| 創業者 | 海外事業 | 2/3 | 40万円 |
| 団体 | 国内・海外 | 1/2 | 100万円 |
補助率とは、対象経費のうち補助される割合のことです。
たとえば国内の展示会で対象経費が30万円かかった企業の場合、1/2なら15万円が補助額の目安になります。
創業者は補助率が2/3と高く設定されています。
ただし、どのような方が「創業者」にあたるかの細かな条件は、この記事では確認できていません。
申請前に区へ確認してください。
また、補助額は審査や予算の範囲内で決まります。
上限額まで必ず受け取れるわけではない点に注意が必要です。
補助の対象になる経費
対象経費は、国内・海外に共通する項目と、それぞれに固有の項目に分かれます。
共通して対象となる経費
- 出品料(展示会の出展料)
- 展示装飾費
- 運搬委託費
- パンフレット制作費
国内事業だけの経費
- 距離が100kmを超える場合の交通費
海外事業だけの経費
- 通訳費
- 往復の航空運賃
- 通関料
たとえば国内の遠方の展示会に出る場合、100kmを超える移動の交通費が対象になり得ます。
逆に、100km以内の移動は交通費が対象にならない点に注意してください。
国内事業と海外事業の違い
国内事業と海外事業では、上限額と対象経費の幅が違います。
海外事業のほうが上限額は倍の40万円で、通訳費や航空運賃、通関料まで対象になります。
海外の展示会は、出展料に加えて渡航費や通訳の手配など、費用がかさみがちです。
そのため、上限額も対象経費も広く設定されていると考えられます。
一方、国内事業は上限20万円で、交通費は100km超の場合に限られます。
自社の出展計画が国内か海外かで、受け取れる可能性のある補助額が大きく変わります。
どちらの区分に当たるか迷う場合や、国内と海外の両方に出展する場合の扱いは、公式情報では確認できません。
事前相談の際にあわせて質問しておくとよいでしょう。

費用イメージで考える補助額の目安
制度の数字だけでは、実際にいくら戻るのか想像しにくいものです。
ここでは、あくまで計算例として考えてみます。
実際の補助額は審査と予算の範囲で決まるため、この金額が保証されるわけではありません。
例1:国内の展示会に企業として出展する場合
出展料や装飾費などの対象経費が30万円なら、1/2で15万円です。
対象経費が50万円でも、上限は20万円となります。
例2:創業者が国内の展示会に出展する場合
対象経費が30万円なら、2/3で20万円です。
上限も20万円のため、この場合はちょうど上限に届く計算になります。
例3:企業が海外の展示会に出展する場合
出展料、通訳費、航空運賃などの対象経費が80万円なら、1/2で40万円です。
これが海外事業の上限額にあたります。
このように、経費が一定額を超えると上限で頭打ちになります。
補助の対象外となる消費税や振込手数料を差し引いたうえで、自己負担の総額を見積もっておきましょう。
オンライン展示会の扱い
会場に足を運ぶ展示会だけでなく、オンライン展示会の出展費用も対象とされています。
移動のいらないオンライン出展は、小規模な事業者にも取り組みやすい選択肢です。
オンライン展示会で対象となる経費は、次のとおりです。
- 出展料
- 動画・画像の作成費
- 付加機能の追加費
- 翻訳費
自社製品を紹介する動画の制作や、海外のバイヤー向けの翻訳といった費用が含まれます。
オンライン展示会に適用される補助率と上限額が国内・海外のどちらの区分になるのかは、公式情報では明記が確認できません。
申請前に区へ確認してください。
対象外となる事業と経費
補助を受けられないケースも、あらかじめ押さえておきましょう。
公式ページに挙げられている対象外は次のとおりです。
- 即売を主な目的とする事業
- 消費税
- 振込手数料
- 前年度に支払い済みの経費
特に見落としやすいのが、支払い済みの経費です。
申請前に出展料を支払ってしまうと、補助の対象にならない可能性があります。
手続きの順番を間違えないよう、支払いの前に区へ相談するのが基本です。
見積書の金額に消費税が含まれている場合も、税額分は補助されません。
自己負担額を考えるときは、税抜の金額で計算しておくと分かりやすくなります。
申請の流れと必要書類
申請期間は、令和8年4月1日から令和9年3月10日までです。
ただし、予算に達した時点で受付は終了します。
期限ぎりぎりではなく、早めに動くことが大切です。
大まかな流れは次のようになります。
- 申請前に、墨田区の担当窓口へ問い合わせる(必須)
- 交付申請書などの書類をそろえる
- 郵送・持参、または電子申請フォームで申請する
主な提出書類は、交付申請書(第1号様式)、事業実施計画書、事業収支予算書、見積書、誓約・同意書です。
企業の場合は納税証明書や登記簿謄本、開業届などが求められます。
団体の場合は規約、会員名簿、参加者名簿などが必要です。
書類の種類は申請者によって異なるため、詳細は公式ページの案内を確認してください。
事前相談で聞いておきたい質問
申請前の相談は、この制度では必須とされています。
相談を単なる手続きと考えず、疑問点を解消する機会として活用しましょう。
相談の前に、次の情報を手元にまとめておくと話が早く進みます。
- 出展を検討している展示会の名称、開催日、場所
- 出展料や装飾費などの見積書(またはその目安)
- 自社の事業所が墨田区内にあることが分かる資料
- 展示会で何を目的に、どの製品を紹介するのか
そのうえで、次のような点を質問すると安心です。
- 自社の事業は補助の対象事業として扱われるか
- 見積書の支払い時期は、いつまでに注意すればよいか
- 創業者として扱われる条件は何か
- 個人事業主の場合も申請できるか
担当窓口は電話で相談を受け付けています。
窓口の混雑や予算の状況も変わるため、展示会の開催が決まったら、できるだけ早い段階で連絡しておくと余裕を持って準備できます。
活用を考える前のチェックポイント
最後に、検討するときの確認事項をまとめます。
次の点を事前に整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
- 出展を予定している展示会は、国内か海外かオンラインか
- 事業の目的は、即売ではなく販路開拓か
- 見積書の金額と、支払いのタイミング
- 自社が創業者の扱いになるか
補助金には審査があり、予算にも限りがあります。
申請すれば必ず受け取れる制度ではありません。
問い合わせ先は、墨田区産業観光部経営支援課(電話03-5608-6185)です。
最新の募集状況や要件は、墨田区 区内生産品等販路拡張事業補助金の公式ページで確認し、申請前には必ず最新の内容に目を通してください。


