千葉市の中小企業者が対象になる助成制度
千葉市には、ITツールの導入で業務効率化を目指す事業者向けの助成制度があります。
「ICT活用等生産性向上支援事業」のうち、比較的小規模な取り組みを対象とする「タイプA:生産性向上小規模型」です。
実施主体は公益財団法人千葉市産業振興財団で、クラウドサービスの利用料やソフトウェア購入費などが助成の対象になります。
制度の狙いは、自社業務の課題をクラウドサービスやソフトウェアの活用で短期的に解決することへの後押しです。
パソコンやタブレット単体の購入だけでは対象にならない点に注意が必要です。
IT導入を検討しているものの、費用面で踏み切れずにいる千葉市内の事業者にとって、選択肢のひとつになり得る制度といえるでしょう。
対象となる事業者の条件
本制度の対象者は、千葉市内に本社または事業所を置く中小企業者です。
ただし、条件を満たせば誰でも申請できるわけではありません。
対象になるには、財団のコーディネーターによるフォローアップ支援を受けることが前提となります。
主な事業実施場所が市内にあることも条件のひとつです。
過去に同財団の支援事業で、同一の業務内容による支援をすでに受けている場合は対象外になります。
また、事業をまだ開始していない創業予定者は、この制度の対象には含まれません。
すでに事業を営んでいる千葉市内の中小企業者向けの制度、と理解しておくとよいでしょう。
補助対象となる経費の種類
助成対象となる経費は、大きく四つのカテゴリーに分かれます。
- クラウドサービス利用料、ソフトウェア購入費、システム設計・構築費
- インフラ整備費、保守業務委託費
- コンサルティング費、従業員教育費(専門家単価は日額2万円以下)
- 機器購入費、リース料(業務に必要不可欠な場合のみ)
このうち、①のクラウドサービス利用料やソフトウェア購入費などは、申請にあたって必須の経費区分です。
機器購入費については、対象業務にどうしても必要な機器に限られます。
パソコンやタブレットを単体で購入する費用だけでは、申請の対象にならない点は覚えておきましょう。
対象となる機器・周辺機器の具体例
機器購入費については、対象になるかどうかの線引きが細かく決められています。
対象と認められる機器には、次のようなものがあります。
- クラウドサービスの利用に必要な、最小限のスペックのパソコン
- 会議や研修に使うマイク・カメラなどの周辺機器
- ネットワークに対応した防犯カメラや温湿度センサーなどのIoT機器
一方、次のような機器は対象外とされています。
- すでに導入済みのソフトウェアを使うための周辺機器
- クラウド利用以外にも用途が広い高性能パソコン
- 動画編集やAI処理を想定した、多目的なノートパソコン
なお、すでに導入しているソフトウェアの活用を後押しする支援であっても、業務改善・効率化につながるものであれば対象経費として認められます。
新しいツールの導入だけでなく、既存ツールを使いこなすための支援としても活用できる制度です。
補助額と補助率の目安
補助額と補助率は、経費区分によって次のように異なります。
| 経費区分 | 主な内容 | 助成率 | 上限額 |
|---|---|---|---|
| ①〜③ | クラウド・ソフト・構築費、インフラ整備、保守委託、コンサル費、教育費 | 3分の2以内 | 50万円 |
| ④ | 機器購入費、リース料 | 3分の1以内 | 定めなし |
④の機器購入費・リース料は、上限額の定めがない一方で助成率が低めに設定されています。
ただし機器購入費だけを申請することはできず、①のクラウドサービス利用料やソフトウェア購入費と合わせて申請する必要があります。
助成には予算の上限があり、申請すれば必ず交付されるものではありません。
審査を経て交付が決定される制度である点を、あらかじめ理解しておく必要があります。
申請の流れと必要な書類
この制度は随時募集ですが、予算の上限に達し次第、受付が終了します。
申請の前に、財団コーディネーターとの事前相談が必須です。
まずドラフト版の申請書を準備したうえで、コーディネーター相談予約フォームから予約を申し込みます。
初回の相談から審査会まで、おおよそ5週間程度かかるとされています。
余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。
主な必要書類は次のとおりです。
| 書類名 | 備考 |
|---|---|
| 助成金交付申請書(様式第1-1号) | 所定様式 |
| 支払予定額の見積書写し | 経費ごとに必要 |
| 誓約書(様式第1-4号) | 所定様式 |
| 直近2期分の決算書写し(法人) | 法人の場合 |
| 直近2期分の青色決算書等写し(個人事業主) | 個人事業主の場合 |
見積書は経費区分ごとに必要になるため、事前相談までに複数社から取り寄せておくとスムーズです。
決算書や青色決算書は、直近の経営状況を確認するための書類として求められます。
書式に不明点がある場合も、事前相談の段階でコーディネーターに確認しておくと安心です。

事業実施期間と効果測定の注意点
助成金の対象になる期間にも、決まりがあります。
事業実施期間は、採択通知書に記載された日付から令和9年3月末日までです。
この期間内に、対象経費の支払いをすべて終える必要があります。
あわせて、導入したツールの効果測定を完了させることも、この期間内での必須条件です。
特に注意したいのは、実施期間の終盤に導入したクラウドサービスなどです。
効果を測定する期間が十分に取れないとみなされ、対象と認められない場合があります。
早めに導入計画を固め、余裕を持ったスケジュールで進めることが望ましいでしょう。
申請時に押さえておきたい注意点
いくつか、申請前に確認しておきたい注意点があります。
まず、交付決定前に支出した経費や、すでに契約を結んでしまった経費は対象になりません。
必ず交付決定を受けてから契約・発注を行う必要があります。
申請できるのは、1年度につき1企業1回までです。
複数の取り組みをまとめて申請したい場合は、事前にコーディネーターへ相談しておくとよいでしょう。
申請書の内容が適切でないと判断された場合、受理そのものがされないこともあります。
書類の不備をなくすためにも、事前相談の段階で内容をしっかり詰めておくことが大切です。
制度の内容は変更される可能性があるため、申請を検討する際は必ず最新の公式情報を確認してください。
向いている事業者と相談窓口
この制度は、次のような千葉市内の事業者に向いています。
- 会計や受発注、勤怠管理などをクラウド化し、業務効率化を図りたい事業者
- 働き方改革や生産性の向上につながるITツールを導入したい事業者
- 既に導入済みのソフトウェアを、もっと使いこなしたい事業者
制度についての相談窓口は、千葉市産業振興財団の産業創造課です。
電話(043-201-9506)またはメール(sangyosozo@chibashi-sangyo.or.jp)で問い合わせできます。
申請を検討する場合は、早めに窓口へ連絡し、事前相談の予約につなげましょう。
千葉市産業振興財団のICT活用等生産性向上支援事業タイプA公式ページで、募集状況や様式の最新版を確認したうえで、コーディネーターへの事前相談から進めていくことをおすすめします。


