海外に商品やサービスを売ってみたいけれど、何から始めればいいか分からない。
そう感じている事業者は少なくありません。
「新規輸出1万者支援プログラム」は、経済産業省・中小企業庁・日本貿易振興機構(JETRO)・中小企業基盤整備機構が連携し、輸出に取り組む中堅・中小企業を後押しする国の取り組みです。
相談窓口から展示会出展、ネット販売、商品開発まで、段階に応じた複数の支援メニューが用意されています。
全国の事業者が対象で、輸出未経験者に限られない点も早めに押さえておきたいポイントです。
プログラムの成り立ちと目的
このプログラムは、輸出に関わる国の支援機関を横断的に束ねる枠組みとして始まりました。
これまで貿易投資相談やジェトロの展示会支援は存在していましたが、事業者からすると「どこに相談すればいいのか分かりにくい」という声もありました。
そこで、各機関の支援策を一つの入口に集約し、事業者が段階に応じて必要な支援を選べるようにしたのが本プログラムです。
登録すれば、複数の支援メニューを組み合わせて利用しやすくなります。
登録は通年で受け付けています。
年度が変わっても継続して登録・利用できる仕組みです。
対象になる事業者
対象は、新たに輸出に取り組む、または輸出をさらに拡大したい中堅・中小企業です。
ここで誤解しやすいのが「輸出未経験者だけの制度」という思い込みです。
公式情報では、すでに輸出実績がある事業者も対象に含まれると明記されています。
- これから初めて輸出に挑戦したい事業者
- 既存の輸出先を拡大したい事業者
- 新しい商品・分野で輸出を検討している事業者
- 新しい国や地域への展開を考えている事業者
業種についても幅広く対象となっており、製造業に限らず食品、雑貨、サービスなど、輸出になじみのある商品を持つ事業者であれば検討の余地があります。
プログラムへの登録方法
各種支援を利用するには、まずプログラムへの登録が必要です。
登録は、JETROが運営する新規輸出1万者支援プログラムの公式ページから行う仕組みになっています。
企業名や事業内容、輸出への取り組み状況などの基本情報を入力し、登録を完了させます。
登録が済むと、貿易投資相談をはじめとする各種支援メニューへの申し込みが可能になります。
登録自体に費用はかからず、通年いつでも手続きを始められる点も利用しやすさにつながっています。
手続きの詳しい流れや必要事項は、その時点のJETRO公式ページの案内に沿って確認してください。
支援メニューは段階別に用意
本プログラムの特徴は、単一の補助金ではなく、輸出の各段階に応じた複数の支援メニューをまとめている点です。
以下のような支援が用意されています。
- 貿易投資相談:輸出に関する基礎的な疑問や進め方を相談できる窓口
- 海外現地情報の提供:現地の市場動向や規制などの情報提供
- 展示会・商談会出展支援:海外バイヤーとの接点をつくる場への出展サポート
- 越境EC支援:JAPAN MALLやAmazonストアなどを活用したネット販売の支援
- 貿易実務人材育成:輸出実務を担う人材向けの講座
- 商品開発等支援(補助金):輸出向けの商品開発やブランディング、プロモーションにかかる経費の一部を補助する枠
このうち、相談支援やマッチング支援の多くは原則無償で利用できる点が特徴です。
一方で、商品開発等支援は補助金という性質上、審査を経て採択された事業者のみが対象になります。
「原則無償の支援」と「審査を伴う補助金」は別物として理解しておく必要があります。
商品開発等支援(補助金枠)の内容
複数の支援メニューの中でも、資金面での後押しとして注目されやすいのが商品開発等支援の補助金枠です。
公式情報によると、ものづくり・商業・サービス補助金の中に設けられた「グローバル市場開拓枠」を通じて実施されており、次のような内容が示されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助額 | 100万円〜3,000万円 |
| 補助率 | 原則1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3) |
| 対象経費 | 輸出向け商品開発、ブランディング、プロモーション等にかかる経費 |
補助率が小規模事業者・再生事業者で2/3に引き上げられているのは、資金力に限りがある事業者への配慮といえます。
ただし、この枠は審査があり、応募すれば必ず採択される制度ではありません。
募集回や公募要領によって細かい条件が変わる可能性があるため、申請を検討する際は、その時点の公募要領を必ず確認してください。

申請までの大まかな流れ
補助金枠を含めたメニューを利用する際は、おおむね次のような流れになります。
- プログラムへの登録(通年受付)
- 貿易投資相談などで自社の状況を整理
- 必要に応じて展示会出展や越境EC支援を活用
- 商品開発等支援を利用する場合は、該当する公募回に応じて申請書類を準備
- 審査を経て採択された場合に補助対象事業を実施
登録自体は通年ですが、補助金枠については公募のタイミングが定められている場合があります。
「登録さえすればいつでも補助金を受けられる」わけではない点に注意してください。
利用を検討する際の注意点
制度を検討するときは、以下の点を意識しておくと進めやすくなります。
- 相談支援は原則無償だが、補助金枠は審査があり採択が前提になる
- 補助額・補助率・対象経費は募集回によって条件が変わる可能性がある
- 輸出未経験でも、すでに実績がある事業者でも対象になり得る
- 越境ECや展示会支援など、資金を伴わない支援から始めることもできる
公式情報に明記されていない詳細(個別の審査基準や採択率など)については、現時点では確認できません。
申請を検討する段階では、必ず最新の公募要領を確認するようにしてください。
よくある質問
Q. 輸出の経験がなくても登録できますか。
輸出未経験者だけでなく、既に輸出実績がある事業者も対象に含まれると公式情報で明記されています。
実績の有無にかかわらず登録を検討できます。
Q. 支援を受けるのに費用はかかりますか。
貿易投資相談や展示会出展支援、越境EC支援などの多くは原則無償で利用できます。
一方、商品開発等支援の補助金枠は別物として扱う必要があります。
Q. 登録すれば必ず補助金を受け取れますか。
商品開発等支援の補助金枠は審査を伴う制度です。
登録や応募だけで受給が確定するものではない点に注意してください。
Q. どの業種の事業者が対象になりますか。
製造業に限らず、食品や雑貨、サービスなど幅広い業種の事業者が検討対象になり得ます。
自社の商品が輸出になじむかを確認してみてください。
どのような事業者に向いているか
輸出をこれから検討したい個人事業主や中小企業にとって、まず相談窓口を利用できる点は心理的なハードルを下げてくれます。
また、すでに輸出実績があり、新商品や新しい国への展開を考えている事業者にとっても、越境ECや展示会支援、商品開発等支援の補助金枠まで一貫して利用できる点はメリットといえます。
一方で、補助金枠の利用だけを目的にする場合は、審査があることを前提に、公募要領に沿った準備が必要です。
まずは相談支援などの無償メニューから利用を始め、自社に合う支援を見極めていくのも一つの進め方です。
詳しい支援内容や最新の募集状況はJETRO公式ページで確認できます。
申請を検討する際は、必ず最新の公式情報・公募要領を確認してください。


