神奈川県には、従業員の育児や介護を支える職場環境を整えた中小企業に、奨励金を交付する制度があります。
「多様な人材が活躍できる職場環境整備支援奨励金」という制度で、複数のコースに分かれているのが特徴です。
ただしコースごとに募集状況が異なり、すでに受付を終えたコースもあります。
本記事では、2026年9月28日時点で申請できるコースに絞って内容を整理します。
制度の概要と対象コース
この奨励金は、神奈川県が県内の中小企業等を対象に実施しているものです。
育児や介護と仕事の両立を後押しする職場づくりに取り組んだ企業へ、定額の奨励金を交付する仕組みになっています。
コースは全部で5つ用意されていますが、本日時点で申請できるのは次の3コースです。
- 仕事と育児の両立コース
- 男性の育児休業取得促進コース
- 仕事と介護の両立コース
一方、「仕事と不妊治療等の両立コース」は7月31日、「外国人労働者の職場環境整備コース」は9月16日に、いずれも予算上限到達を理由に受付が終了しています。
これから申請を検討する場合は、募集中の3コースが対象になります。
そもそもこの制度は、従業員が育児や介護、休業取得といった事情を抱えても働き続けられる職場を増やすことを目的としています。
神奈川県内では中小企業ほど人材の確保・定着が経営課題になりやすく、働き続けやすい環境づくりが採用力にも直結します。
コースが複数に分かれているのは、育児・介護・休業取得促進など、企業ごとに取り組みやすいテーマを選べるようにするためと考えられます。
対象になる事業者と地域
対象となるのは、神奈川県内で事業を営む中小企業者等です。
コースによって従業員側の条件は異なりますが、事業所の所在地は共通して神奈川県内であることが前提です。
個人事業主や小規模事業者も、要件を満たせば申請対象に含まれます。
自社が対象になるかは、コースごとの条件を照らし合わせて確認する必要があります。
申請期間は3コースとも共通で、2026年5月29日から10月30日までです。
ただし予算上限に達した時点で、期限前でも受付が終了する仕組みになっています。
実際に2コースはすでに予算到達で終了しているため、この点は軽視できません。
事業所が神奈川県内にあることが前提のため、県外に本社があっても、県内に支店や営業所があれば対象になるケースもあります。
対象地域の細かい判定は制度ごとに扱いが異なることがあるため、自己判断で対象外と決めつけず、事務局へ確認しておくと安心です。
問い合わせ先は、公式サイトに掲載されているコールセンターです。
コース別・募集状況と補助額の比較
3コースの補助額はいずれも定額20万円で共通しています。
条件や募集状況には違いがあるため、まずは表で全体像を確認してください。
| コース名 | 補助額 | 募集状況(9月28日時点) |
|---|---|---|
| 仕事と育児の両立コース | 20万円(定額) | 募集中(予算の8割到達、終了間近) |
| 男性の育児休業取得促進コース | 20万円(定額) | 募集中 |
| 仕事と介護の両立コース | 20万円(定額) | 募集中 |
仕事と育児の両立コースは、申請額が予算上限の8割に到達していると公式サイトで案内されています。
予算額に達した時点で速やかに案内するとされており、締め切りが早まる可能性がある状況です。
検討している事業者は、後回しにせず早めに準備を進めることをおすすめします。

仕事と育児の両立コースの内容
このコースは、育児と仕事を両立できる職場づくりに取り組む企業を対象にしています。
対象となる従業員を限定する要件はなく、幅広い中小企業が申請しやすいコースです。
申請にあたっては、次のような取り組みが条件として挙げられています。
- 神奈川県が主催するセミナーの受講
- 育児支援に関する制度を2項目以上、新たに整備または改善すること
- 社内での研修の実施
- 育児に関する社内相談窓口の設置
対象経費に特段の制限はなく、奨励金の使いみちが限定されない点も特徴です。
先述のとおり予算消化が進んでいるため、条件を満たせる場合は早めの申請が安心です。
育児支援制度を2項目以上、新規または改善するという条件は、幅の広さも特徴です。
例えば時差出勤やテレワーク、短時間勤務の拡充など、複数の選択肢から自社に合う組み合わせを検討できます。
すでに一部制度がある企業でも、既存制度の改善という形で条件を満たせる可能性があります。
どこまでが「改善」と認められるかは判断が分かれやすいため、申請前に事務局へ確認しておくとよいでしょう。
男性の育児休業取得促進コースの内容
男性従業員の育児休業取得を後押ししたい企業向けのコースです。
このコースだけは、対象となる従業員に関する条件が定められています。
具体的には、合計15日以上の育児休業取得を予定する男性従業員が、1名以上いることが前提です。
そのうえで、次のいずれかの取り組みを実施する必要があります。
- 育児休業取得に関する社内研修の実施
- 取得事例の社内共有
- 制度の周知活動
加えて、育児休業に関する社内相談窓口の設置も求められています。
必要書類には雇用保険被保険者資格取得等確認通知書が含まれる点も、申請前に確認しておきたいポイントです。
このコースの特徴は、対象の男性従業員がすでに育児休業を取得している、または取得予定であることが前提になる点です。
つまり、これから取得者を募るというよりは、取得の見込みがある状態で申請する制度と言えます。
15日という日数は分割取得でも合算できるのかなど、細かい取り扱いは申請要領での確認が必要です。
対象者が社内にいない場合は、このコースではなく育児両立コースや介護両立コースの活用を検討する余地があります。
仕事と介護の両立コースの内容
介護と仕事の両立を支える職場環境づくりに取り組む企業向けのコースです。
育児コースと同様、対象従業員を限定する要件はありません。
一方で、実施する取り組みの内容はやや細かく定められています。
- 神奈川県主催セミナーの受講
- 社内での実態把握調査の実施(回収率50%以上)
- テレワークまたは費用援助のいずれかによる介護支援制度の新規整備
- 社内研修の実施
- 介護に関する社内相談窓口の設置
実態把握調査は回収率の条件が設けられているため、社内での周知や協力の呼びかけが必要になります。
指定の調査票や取りまとめシートの提出も求められるため、余裕を持った準備が欠かせません。
介護支援制度は、テレワークか費用援助のどちらかを選んで新規整備することが条件です。
費用援助は、介護サービス利用料の一部補助といった形が想定されます。
どちらを選ぶかは、従業員の働き方や介護の状況によって変わってくるはずです。
すでにテレワーク制度がある企業は、介護目的での利用ルールを明確にすることで条件を満たせる場合があります。
申請方法と注意点
3コースとも、申請方法は電子申請フォームまたは郵送のいずれかです。
申請は先着順ではなく、予算上限に達した日の受付分は抽選で決定する運用になっています。
実際に終了済みの2コースでは、終了日当日の受付分が抽選対象とされました。
募集中の3コースでも、予算到達時には同様の扱いになる可能性があります。
申請にあたっては、複数コースへの同時申請が可能かどうかを含め、最新の申請要領で確認することが大切です。
コースによって必要書類や条件が異なるため、事前にチェックリストを作って準備を進めるとスムーズです。
とくに仕事と育児の両立コースは、予算の8割到達という案内が出ている段階です。
検討しているなら、必要書類をそろえてから申請するのではなく、並行して準備を進めることをおすすめします。
一方で、必ず採択されると決まっているわけではなく、審査や条件確認の結果、申請が認められない可能性もあります。
本記事の内容は2026年9月28日時点の公式情報に基づいています。
申請前には、必ず神奈川県公式ページで最新の募集状況と申請要領をご確認ください。


