65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)とは?高齢者向け制度整備で最大60万円

国(全国対応)の補助金

高齢のベテラン社員に、もっと力を発揮してほしい。

そう考えて評価制度や賃金制度を見直そうとすると、思った以上に手間と費用がかかります。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の「65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)」は、高年齢者向けの雇用管理制度を整える事業主を対象にした助成金です。

定年年齢そのものは変えず、評価制度や研修制度など雇用管理面の整備を進めたい事業主が対象になります。

全国どこの事業者でも申請できます。

定年延長を支援する制度とは狙いが異なる

同じ65歳超雇用推進助成金には、定年引き上げや継続雇用制度の導入を支援する「65歳超継続雇用促進コース」もあります。

このコースは、就業規則を改定して定年年齢そのものを引き上げる取り組みが対象です。

一方、高年齢者評価制度等雇用管理改善コースが対象にするのは、賃金・人事処遇制度や研修、健康管理といった雇用管理面の整備です。

定年年齢を変更しなくても申請できる点が、両者の大きな違いといえます。

「まだ定年延長までは踏み切れないが、高齢社員の処遇を見直したい」という事業主にとって、こちらのコースは取り組みやすい選択肢です。

名称が似ているため、社内で検討する際はどちらのコースを指しているのか、必ず確認しておきましょう。

対象となる措置と支給額の目安

JEEDの公式情報によると、対象となる措置は次の6種類です。

  • 職業能力を評価する仕組みを活用した賃金・人事処遇制度の導入
  • 労働時間制度の導入・改善
  • 在宅勤務制度の導入・改善
  • 研修制度の導入・改善
  • 健康管理制度の導入
  • その他、高年齢者雇用管理制度の導入・改善

このうち特に手厚く支援されているのが、職業能力評価を活用した賃金・人事処遇制度の導入です。

高齢社員の経験やスキルを、評価を通じて賃金に反映させたい事業主にとって、選択肢のひとつになります。

助成額は、実施する措置の種類と企業規模によって差があります。

公式情報をもとに整理すると、次の通りです。

実施する措置 中小企業 中小企業以外
職業能力評価を活用した賃金・人事処遇制度の導入 60万円 45万円
その他の措置(労働時間制度、研修制度など) 30万円 23万円

中小企業のほうが助成額が高く設定されているのが特徴です。

自社が中小企業に該当するかどうかは、業種ごとに定められた資本金額または従業員数の基準で判断されます。

判断に迷う場合は、公式情報の基準を業種別に確認しておくと安心です。

たとえば、評価制度と賃金制度をセットで見直す中小企業であれば、最大60万円が支給の目安になります。

一方、研修制度の整備など「その他の措置」だけに取り組む場合は、助成額がより低い区分になる点も押さえておきましょう。

どの措置に取り組むかによって助成額が変わるため、複数の候補がある場合は優先順位をつけて検討するとよいでしょう。

高齢者向けの評価制度づくりについて事業主と担当者が資料を確認している様子

機器等導入で助成額が上乗せされる仕組み

このコースには、機器等導入経費の上乗せという仕組みもあります。

評価制度の整備とあわせて、高齢者が働きやすくなる機器等を導入した場合、その経費の一部が上乗せで助成されます。

上乗せ率は、中小企業が60%、中小企業以外が45%です。

上限額は50万円までと定められています。

たとえば、高齢者の身体的負担を軽くする作業補助機器や、業務効率を高める設備などが想定されます。

制度整備だけでなく、実際の作業環境まで改善したい事業主にとって、あわせて活用しやすい仕組みといえるでしょう。

どのような機器等が対象になるかは、公式情報の支給要領で確認してください。

申請の流れと計画書提出のタイミング

この助成金は、思い立ってすぐに申請できる制度ではありません。

先に「雇用管理整備計画書」を提出し、認定を受ける必要があります。

提出のタイミングは、計画の開始日の6か月前から3か月前までと定められています。

つまり、制度改定に着手するおよそ半年前から準備を始める必要があるということです。

申請は、おおむね次のような順序で進みます。

  1. 自社の雇用管理制度の現状を確認する
  2. どの措置に取り組むか検討する(評価制度、研修制度など)
  3. 雇用管理整備計画書を作成し、計画開始日の6か月〜3か月前までに提出する
  4. 計画の認定を受けたうえで、制度整備を実施する
  5. 実施後、支給申請を行い、審査を経て助成金が支給される

計画書の提出期限を過ぎると、その回の申請ができなくなる可能性があります。

検討を始める段階から、逆算してスケジュールを組んでおくことが大切です。

計画の認定を受けた後に内容を変更する場合の扱いについても、事前に窓口へ確認しておくと安心でしょう。

計画書には、実施する措置の内容や対象となる労働者の範囲、実施スケジュールなどを具体的に記載します。

社内の関係部署と調整しながら作成する必要があるため、提出期限の直前に慌てて準備を始めるのは避けたいところです。

制度改定の方向性が固まった段階で、できるだけ早めに労働局やJEEDの窓口へ相談しておくと、手続きが進めやすくなります。

こんな事業主に向いている制度です

高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、こうした事業主に向いています。

  • 高齢社員の評価・賃金制度を見直したい事業主
  • 定年制度は変えずに、働きやすい環境整備から始めたい事業主
  • 評価制度の整備とあわせて、作業機器の導入も検討している事業主
  • 高齢者の在宅勤務や研修制度を整えたい事業主

定年延長そのものにはまだ踏み切れないが、高齢者が力を発揮しやすい仕組みを整えたいという事業主にとって、選びやすいコースです。

評価制度や賃金制度の見直しは、社内の合意形成にも時間がかかるテーマです。

社会保険労務士など専門家に相談しながら、計画的に進めていくとよいでしょう。

高齢社員だけでなく、若手・中堅社員にとっても納得感のある評価制度をつくることが、制度整備を成功させるポイントになります。

よくある疑問

Q. 定年延長をしなくても申請できますか?
このコースは賃金・人事処遇制度などの整備が対象で、定年延長は要件になっていません。

ただし詳細な要件は公式情報で確認してください。

Q. 中小企業以外でも申請できますか?
申請自体は可能ですが、助成額は中小企業より低く設定されています。

自社の規模区分は公式情報の基準で確認してください。

Q. 複数の措置をまとめて申請できますか?
措置の組み合わせ方によって申請の扱いが異なる場合があります。

具体的な要件は公式サイトの支給要領でご確認ください。

Q. 機器等導入だけを単独で申請できますか?
機器等導入経費の上乗せは、評価制度等の整備とあわせて実施する場合の仕組みです。

単独での申請可否は公式情報で確認してください。

Q. 計画書の提出が遅れた場合はどうなりますか?
提出期限は計画開始日の6か月前から3か月前までと定められています。

期限を過ぎた場合の扱いは、公式情報や窓口でご確認ください。

Q. 65歳超継続雇用促進コースと同時に申請できますか?
コースごとに対象となる取り組みや要件が異なります。

自社が実施する内容に応じて、該当するコースを公式情報で確認してください。

制度の詳細・最新の申請要件は、必ずJEED公式ページでご確認ください。

申請前には、必ず最新の公式情報・支給要領を確認したうえで手続きを進めましょう。

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