横浜市内の商店街で空き店舗を借りて開業する方を対象に、初期費用と家賃の一部を支援する制度があります。
横浜市の「商店街空き店舗開業支援事業補助金」です。
これから横浜市で店舗を構えたい個人事業主や、これから法人を立ち上げる予定の方に関係する制度です。
物件契約時にかかる初期費用や、契約後すぐの家賃負担を軽くできる可能性があります。
ただし対象となる店舗や開業条件には細かな決まりがあり、誰でも無条件で利用できるわけではありません。
この記事では、対象者や補助額、必要書類、申請の流れを整理して紹介します。
どんな制度か
この補助金は、横浜市内の商店街にある空き店舗の活用を後押しする目的で設けられています。
商店街の主要な道路や通路に直接面した物件が対象です。
補助率は経費の2/3、上限額は50万円です。
補助対象となるのは、店舗の賃貸借契約にかかる初期費用(前払い家賃や礼金など)と、契約日から申請日までに発生した家賃です。
開業準備の初期段階でまとまった支出があるタイミングを支えてくれる制度といえます。
対象者と開業期間
対象となるのは、個人・中小企業(いわゆるみなし大企業は除きます)・商店会・各種団体です。
ただし誰でも申請できるわけではありません。
横浜市が案内する「ワンストップ経営相談」を利用し、事業計画を策定していることが条件のひとつです。
開業前に一度、相談窓口を通す必要があると考えておくとよいでしょう。
開業時期の条件は次のとおりです。
- 開業日:2026年3月1日〜2027年2月28日の間であること
- 事業継続の見込み:1年以上継続して営業する見込みがあること
- 営業日数:原則として週4日以上開設すること
これから開業日を決める方は、この期間内に収まるよう準備を進める必要があります。
対象者・店舗・開業に関する詳細条件
前述の条件に加えて、店舗と開業内容にも細かな条件が設けられています。
店舗の条件は次のとおりです。
- 閉店から3ヶ月以上経過した空き店舗であること
- 百貨店や駅ビルなど大型商業施設のテナントでないこと
- 申請者本人や三親等以内の親族が所有する物件でないこと
開業の条件も複数あります。
- 開業するエリアの商店会に1年以上加入すること
- 法律上の資格が必要な事業は、開業までに資格を取得すること
- 横浜市の「脱炭素取組宣言制度」に基づき、脱炭素化の取り組みを宣言すること
- 過去3年間に同じ補助金の交付を受けていないこと
なお、大企業が実質的に支配する、いわゆる「みなし大企業」は対象外です。
大企業が発行済み株式総数の2分の1以上を単独で所有する場合や、複数の大企業が合わせて3分の2以上を所有する場合、役員の半数以上を大企業の職員が占める場合などが該当します。
条件が細かいため、事前相談の段階で自分の状況が当てはまるか確認しておくと安心です。

補助額と対象経費の目安
補助内容を表に整理しました。
申請前の目安として確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限額 | 50万円 |
| 対象経費 | 契約初期費用(前払い家賃・礼金等)、契約日〜申請日までの家賃 |
| 対象物件 | 市内商店街の主要な道路・通路に面した店舗 |
上限50万円まで、経費の3分の2が補助される計算です。
ただし実際の交付額は審査を経て決まるため、申請すれば必ず満額が支給されるわけではありません。
申請までの流れと期限
申請には事前相談が必須です。
まず開業予定日の2週間前までに、事前相談を済ませる必要があります。
事前相談の期限は2027年2月12日(金)です。
その後、実際に開業したら申請の手続きに進みます。
申請期限は開業日から60日以内、かつ2027年3月1日(月)までと定められています。
どちらか早い期限が適用される点に注意してください。
なお、横浜市の案内では「予算に達し次第、受付を終了する」とされています。
早めの相談・申請を心がけたい制度です。
必要書類と経営相談の実績要件
申請には複数の書類提出が必要です。
主なものは次のとおりです。
- 賃貸借契約書の写しと、初期費用等の支払領収書
- 住民票の写し(個人)または登記簿謄本(法人)
- 市町村民税の納税証明書
- 商店会との覚書(第4号様式)の写し
- 空き店舗の条件を満たすことを示す証明書
- 代表者・役員等氏名一覧表(第2号様式)
- 事業概要書兼実績報告書(第3号様式)
- 個人事業の開業・廃業等届出書の控え
「ワンストップ経営相談」を利用した場合は、相談内容確認シートの提出も求められます。
この相談は公益財団法人横浜企業経営支援財団(IDEC横浜)が実施しています。
申込時には「商店街空き店舗開業支援事業補助金申込のための利用」である旨を記入します。
交付決定後は、決定日から6ヶ月以内に「エキスパート面談」という経営相談を利用することも条件のひとつです。
開業後の経営を軌道に乗せるためのフォローアップとして位置づけられている仕組みといえます。
書類の不備は審査の遅れにつながるため、提出前に一つずつ確認しておくことをおすすめします。
よくある注意点
申請時には、いくつか見落としやすい点があります。
- 開業後1年未満で事業を廃止・移転した場合、補助金の返還が求められます
- 交付条件を満たし、不備のない書類がすべて揃った日が正式な受理日となります
- 仲介手数料、消費税・地方消費税、商店会への会費・入会費、振込手数料は補助の対象外です
こうした条件を踏まえ、早めに準備を始めることをおすすめします。
相談窓口と参考情報
制度の詳細やここに書ききれない点は、横浜市の窓口に確認できます。
横浜市経済局市民経済労働部商業振興課が担当窓口です。
電話は045-671-3488、ファクスは045-664-9533です。
メールでの問い合わせにも対応しています。
横浜市では「商店街で夢をカタチに」という事例集も公開されています。
実際にこの補助金を活用して開業した事業者の声がまとめられており、制度を活用するイメージをつかむ参考になります。
制度の細部は年度によって見直される可能性があるため、事例集はあくまで参考情報として捉え、最新の条件は公式ページで確認してください。
どのような事業者に向いているか
この補助金は、次のような方に特に関係が深い制度です。
- 横浜市内の商店街で店舗を借りて開業を予定している方
- 開業時の初期費用や当面の家賃負担を軽減したい個人事業主
- 商店街の活性化に関わる事業計画をすでに持っている方
- 開業後も地域の商店会に加入し、長く営業を続けたい方
商店街に立地する店舗という条件があるため、対象エリアかどうかは事前に確認しておく必要があります。
ワンストップ経営相談の窓口で、物件が対象に該当するか合わせて確認するとよいでしょう。
逆に、商店街から離れた単独の物件で開業を考えている方や、短期間での事業終了を想定している方には向きません。
申請前に確認しておきたいこと
補助額や対象経費、申請期限などの条件は変更される場合があります。
申請を検討する際は、必ず横浜市の公式ページで最新の公募要領を確認してください。
事前相談の予約方法や必要書類の細かな様式など、公式情報に明記されていない詳細については、横浜市の窓口に直接問い合わせることをおすすめします。
対象条件が細かく設けられている制度のため、思い込みで判断せず、担当窓口に確認しながら準備を進めることが結果的に近道になります。


