東京都のDXリスキリング助成金とは?社員の研修費の4分の3を助成(令和8年度)

全業種対応

DXリスキリング助成金は、東京都内の中小企業等が、従業員にDX関連の研修を受けさせたときの費用を助成する制度です。

実施しているのは、東京都の外郭団体である公益財団法人東京しごと財団です。

対象になるのは、3時間以上10時間未満の集合研修やeラーニングの受講経費です。

助成率は対象経費の4分の3で、受講者1人・1研修あたりの上限は75,000円とされています。

「社員にデジタルの基礎を学んでほしいが、研修費が負担」という事業者に関係する制度です。

この記事では、対象者、対象になる研修、助成額、申請のタイミングを順に整理します。

まず押さえたい制度の全体像

令和8年度の制度のポイントを、表にまとめます。

項目 内容
実施主体 公益財団法人東京しごと財団
対象事業者 都内で事業を営む中小企業等
対象となる受講者 都内の事業所に常時勤務する従業員
対象研修 3時間以上10時間未満の集合研修・eラーニング
助成率 助成対象経費の4分の3
上限額 1人1研修あたり75,000円、1社あたり100万円
申請受付期間 令和8年3月1日〜令和9年2月28日

「DX」とは、デジタル技術を使って仕事のやり方や事業を変えていく取り組みのことです。

「リスキリング」は、そのために必要な新しい知識や技能を学び直すことを指します。

この助成金は、設備やソフトの購入ではなく「人への投資」である研修費に特化している点が特徴です。

ITツールの導入費用を補助する制度とは、目的が少し違います。

対象になる事業者と受講者の条件

対象となるのは、都内で事業を営む中小企業等です。

公式ページでは、業種ごとに規模の要件が示されています。

  • 小売業・飲食業:資本金5,000万円以下、または従業員50人以下
  • サービス業:従業員100人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下
  • その他:資本金3億円以下、または従業員300人以下

細かな定義は業種によって変わるため、自社がどれに当たるかは公式ページで確認してください。

受講者については、次の点が示されています。

  • 従業員であること(代表者や個人事業主本人は対象外)
  • 常時勤務する事業所が都内にあること
  • 総研修時間の80%以上を受講すること

注意したいのは、代表者本人の研修は対象にならない点です。

個人事業主が一人で営んでいる場合は、そもそも従業員がいないため、利用しにくいと考えられます。

なお、雇用保険の被保険者であることなどの細かな要件については、今回確認できた公式情報の範囲では分かりませんでした。

申請の前に公式ページや募集案内で確認してください。

対象になる研修のかたち

対象になるのは、DX推進に必要な知識・技能を身につける研修、または専門資格の取得を目的とした研修です。

形式は次のとおりです。

  • 集合研修
  • eラーニング
  • 同時双方向のオンライン研修

時間の条件は、1研修あたりの総研修時間が「3時間以上10時間未満」であることです。

短すぎる単発のセミナーや、長期にわたる講座は、この条件から外れる場合があります。

DXリスキリング助成金の対象になり得る、社員がeラーニングや集合研修を受けるイメージ

研修は、既製の講座を受講する形(レディメイド)と、自社向けに内容をつくる形(オーダーメイド)があります。

実績報告で求められる書類が、この2つで異なる点も覚えておきたいところです。

たとえば、クラウドツールの基礎講座や、データ活用の入門eラーニングなどが検討の対象になり得ます。

ただし、個別の研修が対象になるかどうかは、公式の案内で確認してください。

助成額の計算と上限

助成額は、助成対象経費の4分の3です。

上限は2段階で決まっています。

上限の種類 金額
受講者1人・1研修あたり 75,000円
1社あたり(交付決定額) 100万円

たとえば、1人の受講料が8万円の研修を受けた場合、単純計算では8万円の4分の3で6万円です。

1人あたりの上限75,000円の範囲に収まるため、計算上は6万円が助成の対象になり得ます。

一方、受講料が12万円の研修なら、4分の3は9万円ですが、上限の75,000円までとなります。

ここでは概算として示しており、実際の金額は審査と交付決定で決まります。

1社あたりの上限は100万円ですが、公式ページでは複数回に分けて申請できるとされています。

年間を通じて、段階的に研修を進める計画も立てやすい仕組みです。

助成の対象にならないケースと条件

助成を受けるには、研修の実施方法にも条件があります。

公式ページの案内を整理すると、次のようになります。

  • 受講経費を企業が全額負担すること
  • 業務命令として、労働時間内に実施すること
  • 受講者が総研修時間の80%以上を受講すること

たとえば、受講料を従業員本人に負担させる場合や、休日に任意で参加させる場合は、条件に合わない可能性があります。

制度は「会社の取り組みとして社員を学ばせる」ことを前提にしています。

また、対象となる経費は受講に関する費用です。

何が対象経費に含まれ、何が含まれないかは、募集案内に細かく書かれています。

交通費や備品代などを含めて申請する前に、必ず確認しましょう。

なお、区市町村によっては、この助成金に上乗せする独自の制度を設けている場合があります。

たとえば品川区にそうした制度がありますが、この記事は東京都の制度に絞っています。

事業所のある区の制度は、区の公式サイトで確認してください。

申請期間とスケジュールの考え方

交付申請の受付期間は、令和8年3月1日から令和9年2月28日です。

ただし、申請は「研修開始予定日の1か月前まで」に行う必要があります。

つまり、研修を受けた後で申請しても、原則として間に合わないと考えられます。

研修を決めたら、まず申請の期限から逆算して動くのが基本です。

申請方法は、紙での申請と、電子申請(Jグランツ)から選べます。

おおまかな流れは、次のようになります。

  1. 受講させたい研修と、対象となる受講者を決める
  2. 研修開始予定日の1か月前までに、交付申請をする
  3. 交付決定を受けたあとに、研修を実施する
  4. 実績報告として、受講証明書または研修実施報告書などを提出する
  5. 確認を経て、助成金が支払われる

実績報告では、レディメイド研修なら教育機関が発行する受講証明書、オーダーメイド研修なら研修実施報告書が必要です。

受講証明書は研修後に発行を依頼するため、受講先にあらかじめ確認しておくと安心です。

申請の受付状況や、予算の状況に関する案内が出ていないかも、定期的に公式ページで確認してください。

予算に達した時点での早期終了などについては、今回確認した公式情報の範囲では分かりませんでした。

向いている事業者と申請前の注意点

この助成金は、次のような事業者に向いていると考えられます。

  • 従業員に、デジタルの基礎を身につけさせたい中小企業
  • 短時間のeラーニングで、段階的にリスキリングを進めたい事業者
  • 都内に事業所があり、研修費の負担を抑えたい事業者

一方で、従業員がいない個人事業主や、10時間以上の長期講座を予定している場合は、条件から外れる可能性があります。

助成金は、申請すれば必ず受け取れるものではありません。

審査があり、要件を満たしているかどうかが確認されます。

研修を申し込む前に、対象になる内容かどうかを確認しておくと安心です。

とくに、次の点は先に確認しておきましょう。

  • 自社が、中小企業等の規模要件に当てはまるか
  • 受講する研修が、時間と内容の条件を満たしているか
  • 申請のタイミングが、研修開始予定日の1か月前に間に合うか
  • 受講経費を会社が負担し、労働時間内で実施できるか

公式情報の確認先

制度の内容や募集の状況は変わる可能性があります。

申請を考える際は、必ず最新の公式情報や募集案内を確認してください。

この記事は2026年10月4日時点で公式ページを確認した内容です。

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