千葉県事業承継支援助成金は、会社や事業を後継者へ引き継ぐときにかかる費用の一部を助けてくれる制度です。
千葉県内に本社や事業所がある中小企業が対象で、承継の計画づくりや企業価値の算定、M&Aの仲介費用などに使える可能性があります。
補助率は2分の1以内、上限は50万円です。
「そろそろ事業の引き継ぎを考えたいが、何から手を付ければよいか分からない」という経営者の方に関わる制度です。
この記事では、対象になる条件や費用、申請の流れを整理します。
実施主体と制度の位置づけ
この制度は、公益財団法人千葉県産業振興センターが実施する令和8年度の助成金です。
事業承継にかかる専門家への委託費などを、費用の一部として助成する仕組みです。
事業承継は、後継者の育成から資産の評価、第三者への引き継ぎまで、準備に時間もお金もかかります。
専門家に頼む費用の負担を軽くすることが、この制度の狙いと考えられます。
ここで押さえておきたい点を、表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 千葉県事業承継支援助成金(令和8年度) |
| 実施主体 | 公益財団法人千葉県産業振興センター |
| 申請先 | 千葉商工会議所(郵送のみ) |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 上限額 | 50万円 |
実施主体と申請先が異なる点に注意してください。
問い合わせは千葉県産業振興センターの総合相談課が窓口です。
対象になる事業者の条件
対象は中小企業で、次の条件を満たす必要があります。
- 千葉県内に本社または事業所がある
- 承継した後も、県内で事業を続ける予定である
- 支援機関から推薦を受けている
つまり、千葉県で事業を続けることが前提です。
承継を機に県外へ移転する計画では、対象にならないと読み取れます。
個人事業主の方が対象に含まれるかどうかは、今回確認したページでは明記されていません。
該当しそうな場合は、先に窓口へ問い合わせると安心です。
どの条件も、申請前に自社が当てはまるかを一つずつ確かめてください。
条件を満たしていても、必ず助成されるわけではありません。
審査や予算の範囲内で決まる点は、頭に入れておきましょう。
支援機関の推薦が必要な点
この制度の大きな特徴が、支援機関からの推薦が必要なことです。
自社で申請書を用意するだけでは、手続きが進みません。
推薦をしてくれる支援機関が具体的にどこなのかは、公式ページには明記されていません。
公式情報では確認できませんので、この記事で名前を挙げることは控えます。
では、どうすればよいのでしょうか。
公式ページには、申請の前に千葉県産業振興センターの総合相談課へ事前確認を行う流れが示されています。
推薦の取り方も、まずここで相談するのが近道と考えられます。
電話番号は、公式ページに記載のある043-299-2907(経営支援部総合相談課)です。
申請を急ぐ前に、推薦を誰にお願いできるのかを確認しておくと、後の段取りが楽になります。
助成の対象になる4つの費用
助成の対象になる費用は、次の4つです。
いずれも、外部に委託したり、料金を支払ったりする費用が中心です。
| 対象費用 | どんな費用か |
|---|---|
| 事業承継計画の策定委託料 | 引き継ぎの段取りをまとめる計画づくりを、専門家に頼む費用 |
| 企業価値算定委託料 | 会社の価値を数字で出してもらう費用 |
| 後継者育成セミナー等の受講料 | 後継者が経営を学ぶ講座などの受講費用 |
| M&A仲介委託料 | 登録されたM&A仲介業者に払う仲介費用 |

M&A仲介の費用は、中小企業庁に登録された業者に支払うものに限られます。
登録がない業者に頼んだ場合は、対象にならない可能性があります。
依頼する前に、登録の有無を確認してください。
また、対象になるのは助成の実施期間中に行う取り組みです。
時期の考え方は、後の見出しで触れます。
補助率と上限額の考え方
補助率は2分の1以内、上限は50万円です。
「2分の1以内」とは、かかった費用の半分までという意味で、半分がそのまま出るという意味ではありません。
たとえば、対象の費用が60万円かかったとします。
単純に半分を計算すると30万円ですが、実際の金額は審査を経て決まります。
上限を超える場合は、50万円が頭打ちです。
ここで注意したいのは、助成金は後から支払われる形が一般的という点です。
いったん自社で費用を立て替える必要があるかどうかは、今回確認した公式ページには細かく書かれていません。
資金繰りに関わる大事な点なので、事前確認の際に必ず聞いておきましょう。
また、全額が戻るわけではない以上、残りの自己負担も見込んで計画を立てる必要があります。
費用の見積もりは、複数の専門家から取っておくと比較しやすくなります。
計画づくり、企業価値の算定、セミナーの受講、仲介と、4つの費用を組み合わせて使う場合は、合計額に対して上限50万円がどう適用されるのかも気になるところです。
この点は公式ページに細かい説明がないため、事前確認のときに聞いておくと安心です。
買収側企業が対象外である点
M&Aを検討している方が、特に気をつけたい点があります。
M&Aで会社を買う側の企業は、この制度の対象外です。
この制度が支えるのは、あくまで事業を引き継いでもらう側、つまり会社を譲る側の中小企業です。
「M&Aの費用が出るなら」と、買収を考える側が申請しても、対象にならないことがあります。
反対に、後継者がいなくて会社を譲りたい経営者にとっては、仲介費用の一部が助成の対象になる可能性があります。
自社が譲る側なのか買う側なのかを、最初に整理しておくと迷いません。
どちらにあたるのか判断しづらい場合は、自己判断で進めないでください。
窓口に状況を伝えて、対象になるかを確認するのが確実です。
申請期間と実施期間のスケジュール
申請の受付は、令和8年4月8日から始まっています。
期限を決めた締切ではなく、随時の受付です。
ただし、予算がなくなった時点で終了します。
公式ページには、予算の終了に伴い年度内に締め切る場合があると示されています。
2026年10月3日に確認した時点では、受付終了や予算到達の告知は見当たりませんでした。
それでも、状況はいつ変わるか分かりません。
実施期間は、交付決定日から令和9年2月末日までです。
この期間内に取り組みを終える必要があります。
- 令和8年4月8日:申請の受付開始
- 随時:予算がなくなるまで受付
- 交付決定日から令和9年2月末日:助成の対象となる実施期間
今から動く場合は、実施期間の終わりまで余裕があるかを確かめましょう。
計画づくりや算定には時間がかかることがあります。
早めの相談が肝心です。
2026年10月時点で、実施期間の終わりである令和9年2月末までは、およそ5か月です。
推薦の依頼、専門家選び、見積もりの取得、書類の郵送、交付決定と、順番に進めるとあっという間に時間が過ぎます。
交付決定の前に始めた取り組みが対象になるかどうかも、公式ページでは確認できません。
契約や支払いを急ぐ前に、必ず窓口へ確認してください。
申請の流れと準備する書類
申請は、大きく2段階です。
- 千葉県産業振興センターの総合相談課へ、事前に確認する
- 千葉商工会議所へ、申請書類を郵送する
申請方法は郵送のみで、窓口への持ち込みやオンライン申請は案内されていません。
書類の不備があると手間が増えるため、控えを取ってから送ると安心です。
公式ページに挙げられている主な書類は、次のとおりです。
- 交付申請書
- 企業概要
- 事業計画書
- 経費明細書
- 役員名簿
- 暴力団排除に関する誓約書
- 見積書
- 委託契約の案
見積書や委託契約案が必要なため、専門家選びを先に進めておく必要があります。
書類の様式や最新の内容は、必ず公式ページで確認してください。
制度の詳細は、千葉商工会議所の公式ページに掲載されています。
募集状況や要件は変更されることがあるため、申請の前に最新の情報と公募の内容をご確認ください。
どんな事業者に向いている制度か
最後に、どんな方に向いているかを整理します。
- 後継者に事業を引き継ぐ準備を、これから始めたい経営者
- 会社の価値を、第三者の目で把握しておきたい方
- 後継者に経営を学ばせる機会をつくりたい方
- 後継者不在で、登録されたM&A仲介業者を通じて会社を譲ることを検討している方
一方で、会社を買う側の企業や、千葉県外で事業を続ける予定の場合は、対象外となる点に気をつけてください。
事業承継は、思い立ってすぐに終わるものではありません。
費用の一部を助けてもらえる可能性がある制度として、まず窓口へ相談してみる価値はあるでしょう。
推薦の取り方も含めて、不明な点は総合相談課に聞くのが確実です。


