台東区の「経営基盤強化支援」は、人手不足の解消につながる取り組みの費用を一部助成する制度です。
実施するのは公益財団法人台東区産業振興事業団です。
対象は、区内で創業から1年以上たつ中小企業や個人事業主です。
業務の効率化設備、認証の取得、BCP(事業継続計画)の策定、職場環境の整備、特許などの出願に使える可能性があります。
2026年10月3日時点で、公式サイトでは受付中と案内されています。
ただし予算がなくなり次第、終了する扱いです。
経営基盤強化支援の概要
まず制度の基本を表で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 公益財団法人台東区産業振興事業団 |
| 対象地域 | 台東区 |
| 対象者 | 創業1年以上の区内中小企業(個人事業主を含む) |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 上限額 | 20万円 |
| 対象期間 | 2026年4月1日〜2027年2月28日に請求・支払が完了した経費 |
| エントリー締切 | 2027年1月29日(金)17時 |
| 書類提出締切 | 2027年3月1日(月)17時 |
制度の趣旨は、人手不足の解消に役立つ業務の効率化や職場環境の改善です。
産業財産権の取得なども含まれます。
たとえば、対象経費が40万円なら、補助率1/2で20万円が目安です。
60万円かかっても、上限が20万円なので、それ以上は出ません。
なお、審査や予算の都合があるため、申請すれば必ず受けられる制度ではありません。
対象となる事業者と対象外の業種
対象になるのは、次の3つをすべて満たす事業者です。
- 区内に本店(法人)または事業所(個人事業主)がある
- 区内に営業の本拠がある(バーチャルオフィスは対象外)
- 創業から1年以上たっている
創業して間もない方は、1年を超えてから検討する形になります。
一方、次のような事業者は対象外とされています。
- みなし大企業
- 農林漁業
- 金融業
- 不動産賃貸業
- 駐車場業
- 風俗営業
- 住宅宿泊事業
- フランチャイズ事業者
- 宗教法人、社団・財団法人、NPO法人など
「みなし大企業」とは、大企業の影響が大きく、実質的に大企業と同じ扱いになる会社のことです。
親会社が大企業の場合などが当てはまる可能性があります。
自社が該当するか迷う場合は、エントリー前に事業団へ確認すると安心です。
3つの分野と対象経費の整理
対象経費は、大きく3つの分野に分かれます。
公式情報で挙げられている具体例を表にまとめました。
| 分野 | 区分 | 具体例 |
|---|---|---|
| 業務管理 | 業務効率化 | 在庫管理システムの導入、自動食券機・翻訳機の購入 |
| 業務管理 | 認証取得 | ISO、プライバシーマークの取得 |
| 業務管理 | 計画策定 | BCP策定のコンサルティング |
| 人材管理 | 設備環境 | 休憩室・更衣室の整備 |
| 人材管理 | 労務環境 | 就業規則の策定、研修費 |
| 人材管理 | 計画策定 | 一般事業主行動計画などの法定計画 |
| 知的財産 | 産業財産権 | 特許・商標などの新規取得(出願・登録経費) |
表の例は一部です。
個別の経費が対象になるかは、公式の案内で確認してください。
注意したいのは、分野をまたいだ併用申請ができないとされている点です。
公式ページには、業務管理・人材管理・知的財産の併用申請は不可という趣旨の記載があります。
どの分野で申請するか、先に決めておくと進めやすくなります。
分野ごとの使いどころ
読者の業種別に、使い道のイメージを整理します。
あくまで公式の例をもとにした目安です。
飲食店や小売店なら、業務管理の分野が候補です。
自動食券機や翻訳機は、少ない人数で接客を回すための設備です。
外国人のお客様が多い台東区では、翻訳機の需要もありそうです。
製造業や卸売業なら、在庫管理システムの導入が考えられます。
ISOなどの認証を取ると、取引先への信頼にもつながります。
従業員を雇っている事業者は、人材管理の分野が候補です。
休憩室や更衣室を整えると、働きやすさが上がります。
就業規則を整えたい会社にも向いています。
独自の商品名やロゴ、技術を持つ事業者は、知的財産の分野が候補です。
商標や特許の出願費用が対象になる可能性があります。
BCPは、災害や感染症が起きても事業を続けるための計画です。
策定を専門家に依頼する費用が、業務管理の対象例に挙げられています。
エントリーから書類提出までの2段階
この制度は、2つの段階に分かれています。
1段階目は「エントリー」です。
2027年1月29日(金)17時までに、エントリーフォームを入力します。
申請前のエントリーは必須です。
2段階目は「書類提出」です。
2027年3月1日(月)17時までに、申請書類をそろえて提出します。
大まかな流れは次のとおりです。
- エントリーフォームを入力する
- 事業団が要件を確認し、面談の日程を調整する
- 中小企業診断士と面談する(必須)
- 申請書を提出する
- 審査を受け、決定通知を受け取る
- 事業を実施し、支払いを済ませる
- 実績報告書を提出する
- 審査のうえ、助成金が交付される
- 事業者訪問を受ける
エントリーの締切が書類提出の約1か月前にある点に注意が必要です。
事業の完了は2027年2月28日までです。
エントリーから面談までに時間がかかる場合があるため、締切ぎりぎりは避けたほうが安全です。

中小企業診断士との面談の位置づけ
エントリー後には、中小企業診断士との面談が必須とされています。
中小企業診断士は、経営の相談に乗る国家資格の専門家です。
面談の具体的な内容や所要時間は、今回確認した公式ページには詳しく書かれていません。
そのため、ここでは断定を避けます。
一般に、事業の目的や、なぜその設備や取り組みが必要かを説明する場になると考えられます。
次の点を整理しておくと、話しやすくなるでしょう。
- 現在の人手不足や業務上の課題
- 導入したい設備や取り組みの内容
- 見積もりの金額と時期
面談の詳細は、エントリー後に事業団から案内されます。
気になる点は、その際に確認してください。
必要書類と費用の注意点
必要書類は、法人と個人事業主で少し異なります。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 法人 | 商業登記簿謄本(3か月以内)、賃貸借契約書の写し、納税証明書(3か月以内・未納税額0)、見積書などの経費内訳書、申請用紙一式 |
| 個人事業主 | 賃貸借契約書の写し、所得税または個人事業税の納税証明書、見積書などの経費内訳書、申請用紙一式 |
創業から1年以上たっていることの証明も必要です。
法人は、登記簿で確認できれば不要とされています。
費用面では、次の点が公式に示されています。
- 助成決定前の導入や支払いは対象外
- 親会社・子会社などとの取引は対象外
- 個人名での支払い、リボ払いは対象外
- 消費税は対象外
- 国や東京都など他機関の同種の助成との重複は不可
特に「決定前に買ってしまう」失敗には注意してください。
順番を間違えると、対象外になる可能性があります。
また、内容を変更する場合は、実施前に申告する必要があります。
実施後の変更は交付されない場合があるとされています。
他の助成との関係と申請前のチェック
同じ事業団には「人材確保支援」という別の助成もあります。
こちらは採用活動や、従業員の資格取得などを対象にした制度です。
2つの併用が可能かどうかは、公式情報では確認できません。
両方を検討する場合は、事業団へ問い合わせてください。
また、国や都など他機関の同種の助成とは重複できません。
他の補助金の利用を考えている方も、事前の確認が欠かせません。
申請前のチェック項目を整理します。
- 区内に営業の本拠があり、創業から1年以上たっているか
- 対象外の業種や、みなし大企業に当たらないか
- どの分野(業務管理・人材管理・知的財産)で申請するか
- 2027年2月28日までに事業を終え、支払いまで済ませられるか
- 納税証明書など、書類を期限内にそろえられるか
最新の募集状況や締切は変わる場合があります。
申請前に、必ず台東区産業振興事業団の経営基盤強化支援ページで最新情報を確認してください。
助成の一覧は事業団の助成金ページから見られます。
まとめ
経営基盤強化支援は、台東区の中小企業や個人事業主が、人手不足対策や経営の土台づくりに使える助成です。
補助率は1/2以内、上限は20万円です。
押さえておきたい点は次の4つです。
- 対象は創業1年以上の区内事業者
- 分野は業務管理・人材管理・知的財産の3つ
- エントリーは2027年1月29日17時、書類提出は同年3月1日17時まで
- 助成決定前の支払いは対象外
予算には限りがあり、受付が早めに終わる可能性もあります。
検討中の方は、早めにエントリーを済ませておくと安心です。


