足立区には、区内で営業する小規模事業者の設備投資を支える「小規模事業者等経営改善補助金」があります。
機械や設備の購入、店舗の改修、工場まわりの環境改善などにかかる費用の一部を、区が補助する制度です。
対象は、足立区内で継続して営業している従業員数の少ない事業者です。
上限額は最大250万円ですが、条件によって金額は変わります。
この記事では、令和8年度の内容を区の公式情報に沿って整理します。
コース別の対象者と補助額の早見表
制度は大きく2つの枠に分かれています。
機械設備等購入費補助・店舗改修費補助と、操業環境改善費補助です。
違いを表にまとめます。
| 項目 | 機械設備等購入費補助・店舗改修費補助 | 操業環境改善費補助 |
|---|---|---|
| 対象者 | 従業員30人以下(商業・サービス業は10人以下)、区内で1年以上営業 | 従業員10人以下の機械等修理業、または30人以下の製造業。区内で3年以上営業 |
| 補助率 | 3分の2または2分の1 | 2分の1 |
| 上限額 | 250万円または150万円 | 250万円 |
| 補助の下限額 | 5万円 | 40万円 |
操業環境改善費補助では、対象経費が80万円以上であることが条件とされています。
上限額の高さだけで判断せず、自社がどちらの枠に当てはまるかを最初に確認しましょう。
補助率と上限額が分かれる条件
機械設備等購入費補助・店舗改修費補助は、補助率と上限額が2段階です。
分かれ目は「見積書の合計額のうち、区内事業者に支払う割合」です。
- 区内事業者への支払いが50%以上:補助率3分の2、上限250万円
- 区内事業者への支払いが50%未満:補助率2分の1、上限150万円
つまり、見積りを取る相手を区内の事業者にするほど、有利な条件になります。
たとえば購入する機械の業者や改修工事の施工業者を選ぶ段階で、この割合を意識することが大切です。
ただし、上限額いっぱいが交付されるとは限りません。
実際の補助額は、対象となる経費の額に補助率を掛けて決まります。
補助額のイメージ(計算例)
ここでは、仕組みを理解するための仮の計算例を示します。
実際の金額は、区の審査と認定で決まります。
- 対象経費が90万円で、区内事業者への支払いが50%以上の場合:90万円の3分の2で、補助額は60万円が目安
- 同じ90万円でも、区内事業者への支払いが50%未満の場合:2分の1で、補助額は45万円が目安
- 対象経費が450万円で、3分の2の場合:計算上は300万円ですが、上限の250万円までとなる
同じ経費でも、支払い先の割合で補助額に差が出ます。
なお、補助の下限額は機械設備等購入費補助・店舗改修費補助が5万円です。
あまりに小さな金額の計画は、下限に届かない可能性があります。
小規模事業者の範囲と従業員数の目安
この制度の対象は、区が定める「小規模企業者」です。
公式情報では、常時使用する従業員が30人以下(商業・サービス業は10人以下)とされています。
商業・サービス業とは、飲食店や小売店、美容室などを含む分野です。
ただし、自社がどの業種区分になるかは、公式情報だけでは個別に判断できません。
迷う場合は、区の相談窓口で確認してください。
個人事業主でも法人でも、区内で継続して営業していれば対象になり得ます。
営業年数は、機械設備等購入費補助・店舗改修費補助が1年以上、操業環境改善費補助が3年以上です。
創業して間もない場合は、この年数が足りるかを先に見ておきましょう。
操業環境改善費補助の位置づけ
操業環境改善費補助は、機械等の修理業や製造業の事業者向けの枠です。
対象となる経費は80万円以上で、補助率は2分の1、上限は250万円です。
補助率が2分の1なので、上限の250万円を受けるには、対象経費が500万円必要な計算になります。
補助の下限額は40万円です。
また、区内での営業年数が3年以上必要で、機械設備等購入費補助・店舗改修費補助より条件が厳しめです。
具体的にどのような工事や購入が対象になるかは、今回確認した公式ページには詳しく載っていません。
該当しそうな場合は、募集案内を読むか、窓口へ相談してください。
補助の対象となる経費と、ならない経費
対象になる経費として、公式ページには次のような項目が示されています。
- 機械設備等の購入費、リース料
- 機械設備等の設置工事費
- 修理費、改造費、維持費
- 店舗改修費補助では、設計工事費や店舗デザイン相談費

一方、対象外とされている経費もあります。
パソコン、タブレット、スマートフォンは対象外です。
消耗品、人件費、販売促進費、新築や増築の費用、租税公課なども含まれません。
内訳のうち、操業環境改善費補助で対象になる具体的な経費の一覧は、今回確認した範囲では公式ページに詳しく書かれていません。
詳細は募集案内で確認してください。
事前に購入・契約してはいけない理由
最も注意したいのは、実施の順番です。
公式情報では、区の認定日から令和9年2月28日までに、契約(発注を含む)・支払い・納品を完了したものが対象とされています。
そのため、次のものは補助の対象外です。
- 認定日より前に購入した機械や設備
- 認定日より前に発注・契約した工事
- 令和9年3月1日以降に行う購入や取引
「申請の前にいったん契約を済ませてしまった」という場合、あとから補助を受けることはできません。
見積りを取るのは構いませんが、発注や契約は区の認定を受けてからにしてください。
また、期間内に納品と支払いまで終わらせる必要があります。
工事や納品に時間がかかる設備は、スケジュールに余裕を持って計画しましょう。
申請期間と申請までの流れ
申請期間は、令和8年5月1日から令和9年1月29日までです。
相談の予約は、令和8年4月1日から12月28日まで受け付けています。
流れは、公式ページでは次の順で示されています。
- 相談予約
- 相談の実施
- 申請書の提出
- 審査
- 認定
- 事業の実施
- 現地調査
- 補助金の交付
中小企業相談員との事前相談が必須です。
相談予約の受付は申請期間より先に終わるので、年末が近づいてからでは間に合わない場合があります。
審査があるため、申請したすべての事業者が認定されるわけではありません。
予算や審査の扱いについて、公式ページには詳しい記載がありませんので、あわせて確認が必要です。
申請前に準備しておきたいこと
相談から申請まで、事前に整えておくとスムーズな項目をまとめます。
- 何を購入・改修したいのか、目的と内容を整理する
- 複数の業者から見積書を取り、区内事業者の割合を計算する
- 営業年数や従業員数が要件を満たすか確認する
- 相談予約を早めに入れ、スケジュールを逆算する
資金面にも注意が必要です。
流れを見ると、補助金の交付は事業の実施と現地調査のあとです。
公式情報では、期間内に支払いまで完了することが対象経費の条件とされています。
そのため、費用を一度ご自身で支払う場面が出てくる可能性があります。
交付の時期や方法の詳細は、案内で確認してください。
また、見積書は「どの業者に依頼するか」の判断材料でもあります。
価格だけでなく、納期や区内事業者かどうかも見比べると、補助率の面でも有利に進められる場合があります。
どんな事業者に向いているか、申請前の確認先
この制度は、区内で営業を続けていて、設備の入れ替えや店舗の改修を考えている小規模事業者に向いています。
老朽化した機械を直したい飲食店や、店舗の内装を整えたい小売店などが検討しやすいでしょう。
一方で、パソコンの購入だけを目的にする場合や、新築・増築が中心の計画は、対象外の経費に当たるおそれがあります。
制度の内容は年度ごとに変わります。
申請前に、必ず最新の公式情報と募集案内を確認してください。
問い合わせ先は、足立区産業振興課ものづくり振興係(電話03-3880-5869)です。


