足立区には、従業員が働きやすい職場をつくるための助成金があります。
名称は「区内中小企業人材定着サポート助成金」です。
区内に本店や事業所があり、従業員を1人以上雇用する中小企業・個人事業主が対象です。
トイレや休憩室の改修費、就業規則の作成費用などに使えます。
人手不足に悩む足立区の事業者にとって、検討する価値のある制度です。
対象になるのはどんな事業者か
対象は中小企業基本法上の中小企業、または個人事業主です。
区内に本店登記または主たる事業所があることが条件になります。
さらに、従業員を1人以上雇用している必要があります。
ここでいう従業員には、役員や家族従業員は含まれません。
雇用実態のある一般従業員がいることが、申請の前提になります。
職場環境整備でできること
この助成金の柱のひとつが、職場環境整備への補助です。
対象はトイレ、休憩室、空調機器などの新設・改修工事です。
補助率は費用の2分の1で、上限は100万円です。
具体的な補助内容を整理すると、次のようになります。
| 区分 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 職場環境整備 | 1/2 | 100万円 |
| 就業規則作成・改定 | 実費相当 | 10万円 |
老朽化したトイレを直したい事業者には、使いやすい枠だと言えます。
休憩スペースがなく従業員の定着に悩む職場にも、選択肢になります。
対象となる取り組みの範囲は幅広く、公式ページでは次のような例が挙げられています。
- 従業員用トイレ、休憩室、更衣室の整備
- 空調機器の新規導入・更新
- 手すり設置や段差解消などのバリアフリー工事
- シャワーブースや湯沸し器の設置
- 外国人従業員向けの翻訳機の購入
工事系の投資だけでなく、翻訳機のような設備も含まれる点は見落としやすいポイントです。
多様な働き方や外国人材の受け入れを進める職場にも、活用しやすい枠だと言えます。

就業規則の整備も支援対象
就業規則の作成・改定も、この助成金の対象です。
補助上限は10万円で、実費相当分が支給されます。
小規模な事業者ほど、就業規則の整備は後回しになりがちです。
でも、ルールが曖昧なままだと、労務トラブルの原因にもなります。
この機会に、専門家の力を借りて整えるのも一つの方法です。
なお申請にあたっては、専門家による事前訪問確認が必須になります。
事業実施後には、事後確認も行われる仕組みです。
対象となる取り組みには、社会保険労務士への委託による支援も含まれます。
たとえば、多様な勤務形態の導入や、新人を育てるメンター制度の整備などです。
就業規則を一から見直したい事業者は、こうした専門家委託も検討してみてください。
申請に必要な書類
申請時には、いくつかの書類をそろえる必要があります。
公式ページで示されている主な書類は、次のとおりです。
- 交付申請書
- 納税証明書(法人は事業税・都民税、個人事業主は特別区民税)
- 法人登記簿謄本、または個人事業主の確定申告書
- 専門家相談確認済証(事前相談後に発行されるもの)
- チェックリスト
賃貸物件で工事を行う場合は、貸主の改修承諾書も追加で必要になります。
書類の不備は審査の遅れにつながるため、早めに準備を始めておくと安心です。
熱中症対策枠は受付終了
同じ助成金には、熱中症対策の枠も設けられていました。
スポットクーラーやファン付きベストの購入費が対象でした。
補助上限は40万円で、条件によっては従業員1人未満でも対象でした。
ただし、この枠は専門家派遣の申込期限が2026年8月31日でした。
本日2026年9月23日時点で、熱中症対策枠は受付を終了しています。
これから申請を検討する場合、対象になるのは職場環境整備と就業規則の2つです。
申請期間と手続きの流れ
職場環境整備・就業規則の2つの枠は、まだ申請を受け付けています。
申請期間は2026年4月1日から2027年1月29日までです。
ポイントは、事業実施の2週間前までに申請が必要な点です。
思い立ってすぐ着手できる制度ではないので、早めの準備が欠かせません。
大まかな流れを整理すると、次のとおりです。
- 専門家派遣を申し込み、事前確認を受ける
- 必要書類をそろえて区へ申請する
- 事業(工事・規則作成など)を実施する
- 完了後、事後確認と支払い手続きを行う
事業完了と支払いの期限は、令和9年3月31日までとされています。
余裕を持ったスケジュールで動くことをおすすめします。
相談・申請の窓口
申請や相談の窓口は、足立区企業経営支援課の就労・雇用支援係です。
申請書類は、窓口への持参または郵送で提出します。
一方、専門家派遣の申し込みは、専用のウェブサイトから行う仕組みです。
窓口と派遣申込の入口が別々になっているため、混同しないよう注意してください。
制度の細かい条件や様式について不明な点があれば、まずは電話で問い合わせるのが確実です。
交付までの大まかな流れ
申請から助成金の振り込みまでには、いくつかの段階があります。
区による審査を経て交付が決定した後、実際に取り組みを実施します。
取り組みの実施後は、専門家による事後確認を受ける必要があります。
その後、実績報告を提出し、交付額の確定を経て助成金が支払われます。
助成金を受け取って終わりではなく、翌年度に人材定着状況を報告する義務がある点も覚えておいてください。
申請前に押さえておきたい注意点
この助成金には、見落としやすいルールがいくつかあります。
まず、事業実施の2週間前という申請期限は厳格です。
たとえば5月1日に工事を始めたい場合、申請は4月17日までに済ませる必要があります。
思いついてすぐ動ける制度ではないので、スケジュールには余裕を持たせてください。
さらに、同じ内容の取り組みは翌年度に重ねて申請できません。
一度助成を受けた工事や取り組みを、次年度も対象にすることはできない仕組みです。
加えて、助成を受けた翌年度には、人材定着状況の報告も求められます。
この報告を行わなかった場合、翌々年度の申請ができなくなる点にも注意が必要です。
こんな事業者に向いている制度
区内中小企業人材定着サポート助成金は、次のような事業者に向いています。
- 老朽化したトイレや休憩室を改修したいが、費用がネックになっている事業者
- 外国人従業員が増え、翻訳機などの設備が必要になってきた事業者
- 就業規則が未整備、または古いまま放置している事業者
- 多様な勤務形態やメンター制度を整え、従業員の定着を図りたい事業者
いずれの場合も、専門家への事前相談が申請の入り口になります。
早い段階で区や専門家に相談し、準備を進めることをおすすめします。
まとめ:足立区の事業者は検討を
区内中小企業人材定着サポート助成金は、働く環境を整えたい事業者向けの制度です。
職場環境整備には上限100万円、就業規則作成には上限10万円が用意されています。
一方で、熱中症対策枠はすでに受付を終了しています。
利用を考える場合は、まず専門家派遣の申込から動く必要があります。
申請条件や必要書類は変更される可能性もあるため、申請前には必ず公式情報を確認してください。
詳しい要件や申請様式は、区内中小企業人材定着サポート助成金(足立区)公式ページで確認できます。


