中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指して、工場や物流拠点の新設・増築、先端設備の導入といった大きな投資に取り組む中小企業を支援する国の制度です。
実施主体は経済産業省・中小企業庁で、事務局は中小機構が担っています。
小規模な店舗改装やちょっとした設備更新向けの補助金とは性格が異なり、一定規模以上の投資計画と、売上高の成長目標を持つ企業が主な対象です。
この記事では、3次公募の申請期間、補助額・補助率、対象になりそうな企業の条件、申請前に準備しておきたい「100億宣言」について、公式情報をもとに整理します。
まず押さえたい制度の全体像
この補助金は、売上高100億円超を目指す中小企業が行う「大胆な投資」を後押しする制度です。
賃上げへの貢献、輸出による外需の獲得、地域内での仕入れによる地域経済への波及効果が大きい企業の成長を支える、という考え方が背景にあります。
主な内容を表にまとめると、次のとおりです(3次公募)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 経済産業省・中小企業庁(事務局:中小機構) |
| 対象地域 | 全国(地域を問わない国の制度) |
| 対象者 | 売上高100億円を目指す中小企業(売上高10億円以上100億円未満) |
| 補助上限額 | 5億円 |
| 補助率 | 1/2以内 |
| 補助事業期間 | 交付決定日から24か月以内 |
| 申請方法 | 補助金申請システム「jGrants」による電子申請 |
補助上限額や補助率はあくまで上限・枠組みであり、実際にいくら交付されるかは、審査や予算、補助対象経費の内容によって変わります。
申請期間と、締切日の確認方法
3次公募の申請受付は、2026年9月29日(火)から始まっています。
締切は、公式の100億企業成長ポータルでは2026年11月12日(木)15:00と案内されています。
当初予定の10月29日から、申請受付期間が延長されたと掲載されています。
注意したいのは、他のサイトや一部の紹介ページには、当初の「10月29日」のままの記載が残っている点です。
古い情報を見て「もう間に合わない」と判断したり、逆に締切を誤解したりしないよう、期日は必ず公式ポータルで確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請受付開始 | 2026年9月29日(火) |
| 申請締切 | 2026年11月12日(木)15:00(公式ポータルの案内) |
| 公募説明会動画 | 9月29日に公開(公式ポータルの案内) |
基準日(2026年10月5日)の時点では募集中ですが、書類の準備や宣言の公表に時間がかかるため、早めの着手が望ましい制度です。

対象になりそうな企業の条件
公募要領で示されている主な条件は、次の3つです。
- 補助対象経費のうち、投資額が1億円以上(税抜)であること
- 申請の時点で、自社の「100億宣言」が100億企業成長ポータルに公表されていること
- 賃上げ要件を満たす、今後5年程度の事業計画を策定すること
投資額の1億円以上は、建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計で見る形で案内されています。
外注費や専門家経費は、この投資額の判定には含まれない扱いとされているため、詳細は公募要領で確認してください。
売上高が10億円以上100億円未満の企業が想定されているため、個人事業主や小規模な事業者の多くは対象の規模から外れます。
その場合は、小規模事業者持続化補助金など、別の制度を検討するほうが現実的です。
補助の対象になる経費と投資のイメージ
補助対象経費の区分は、建物費、機械装置費(器具・備品費を含む)、ソフトウェア費、外注費、専門家経費とされています。
公式の活用イメージとしては、次のような取り組みが挙げられています。
- 工場や物流拠点などの新設・増築
- イノベーションの創出に向けた設備の導入
- 自動化による革新的な生産性向上
なお、固定資産を取得した場合の圧縮記帳(補助金で取得した資産の税務上の処理)が認められる旨が、国税庁に確認されたと公式ポータルに案内されています。
税務の扱いは個別事情で変わるため、顧問税理士などに相談しておくと安心です。
「100億宣言」とは何か
この補助金で最初に必要になるのが「100億宣言」です。
申請の時点で、自社の宣言が公式ポータルに公表されていることが条件とされています。
100億宣言は、売上高100億円を目指すという経営者の意思を、自社の言葉で示す仕組みです。
申請直前に慌てないよう、補助金の申請とは別の準備として、先に宣言の手続きを確認しておくのが進めやすい順序です。
宣言の具体的な手続きや、公表されるまでにかかる期間については、公式情報では今回の確認範囲で詳細が分かりませんでした。
締切が近づくと混み合う可能性もあるため、公式ポータルで最新の手順を確認してください。
賃上げ要件はどう見ればよいか
この補助金は、賃上げへの貢献を重視しています。
公式の案内では、補助事業の終了後3事業年度にわたる賃上げ計画が求められ、基準年度と比べた給与支給総額または1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が4.5%以上であることが示されています。
賃上げは「申請時の計画」だけでなく、実際に達成できるかどうかが問われる点に注意が必要です。
要件を満たせなかった場合の扱いは、公募要領に定められています。
自社の人件費の見通しと照らし、無理のない計画になるかどうかを、申請前に社内で検討しておくと安心です。
ほかの補助金との違いと、向いている事業者
同じ「設備投資」系でも、対象の規模は制度ごとに異なります。
| 制度 | 規模の目安 |
|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓など比較的小さな取り組み |
| 省力化投資補助金 | 人手不足対策の省力化設備の導入 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 | 新事業への進出や革新的な取り組み |
| 中小企業成長加速化補助金 | 売上高100億円を目指す、投資額1億円以上の大型投資 |
次のような事業者は、検討する価値があるかもしれません。
- すでに売上高10億円以上で、さらに大きな成長を目指している
- 新工場や物流拠点の整備など、大きな設備投資を計画している
- 賃上げを続けながら成長投資を進める方針がある
反対に、投資額が1億円に満たない場合や、100億円を目指す計画がない場合は、別の制度のほうが適している可能性があります。
申請前の確認事項と公式情報
申請の流れの目安は、「100億宣言の公表」→「事業計画の策定」→「jGrantsによる電子申請」→「審査・交付決定」です。
審査があるため、申請すれば必ず採択されるわけではありません。
準備にあたっては、次の点を確認してください。
- 公式ポータルで最新の申請期間(11月12日15:00)を確認する
- 公募要領で補助対象経費、補助上限額・補助率、要件の詳細を確認する
- 100億宣言の公表手続きに必要な期間を確認する
- jGrantsのアカウント(GビズID)の取得状況を確認する
補助上限額や補助率、対象要件の最終的な内容は、公募要領が基準になります。
申請の前には、必ず最新の公式情報と公募要領を確認してください。

